浮き止めのシモリ玉/PE遠投(深タナ)時
TGクッション S Y H741-Y 記事公開後に差替えました |
餌釣りで使われる浮きの中でも、遠投する遊動浮きを任意のタナに止めるための浮き止めは、重要な要素(パーツ)です。ここでは PEラインの浮き止め に使うシモリ玉について考えます。
PEラインに遊動木球ウキを止めるゴム浮き止め(候補) |
なので、本来は遠投向きのラインのはずですが、使う人は少ないです。なぜなら、遊動浮きを止めるのが難しいからです。これの解決手段は PEラインへの浮き止め=棚ボケなし に記しました。
原因を考えて、いろいろ対策してきましたが、ようやくその原因究明と対処策が整ってきたので、ここでシェアします。
直径5.75mmの硬質プラスチック製テーパーシモリ玉 |
この穴のフチがPE編み糸の極細単糸を傷つけて破断に至るのだという仮説に基づき、(接触部分が弾力のある)ゴム素材の物に変更すべく、選定しました。
そもそもの理想は、ゴム素材で、トップガイドを通り抜けない外径の球に直径0.5mm程度の穴が貫通している物、ですが、探しても見つかりません。
このような微細な物、特にゴム製品は自作が困難です。110円ショップでビーズ類も探して見ましたが、ゴム系の物は見当たらないため、釣具店で購入したのが、これらの物です。
穴径(平時)mm 最大径 mm
浮子ガード 0.90 3.50
フカセゴム 0.80 4.40
ゴムクッション(T) 0.80 3.85
ゴム素材の材質や硬度を知るべきですが、省略。手で圧迫した感触では、黒色の浮子ガードが他の2品に比べて硬いように感じました。PEラインが中を通るので削れる恐れはありますが、消耗品と考えて定期交換を前提にするべきでしょう。
実釣の様子を頭に浮かべると、キャスト後に仕掛けがタナまで沈むと、遊動浮きがビョコンと立つ瞬間があります。この時に浮きは海面で浮き沈みしながら、ショックを吸収しているはずです。
実際に海で多くの回数をテストするのは大変なので、実釣を想定した使用(耐久)テストを考えてみましたが、ビョコンの瞬間とその後の継続浮沈で掛かる負荷を推し量って、陸上で実釣と同様の条件を作るには、高校の物理以上の知識が必要になりそうなので・・・、無理。
あきらめて、実際にキャストしてテストすることにしました。
<テスト条件>
浮き止め糸は、PE網糸5号15mmの3っ折り
投入後タナキープから10秒後に回収開始
距離 約30m
錘 10号
浮き 発泡スチロールボール(50mm径)中通し浮き オモリ負荷10号
タナ 1.0m
浮き止めのPE糸がゴムに食い込んで自然には分離しなくなるまで、または50キャストまで投げた結果を見ることにしました。
左=本来の位置 浮き止めPE糸 右=中に食い込んでいる |
<テスト方法>
シモリ玉代替ゴムクッションに、初めて浮き止め糸が食い込み、2度目に食い込むまでの投入回数をカウントしました。
<テスト結果>
食い込み 初回 2度目
浮子ガード 45 46
フカセゴム 05 06
ゴムクッション(T) 03 04
ゴムクッション(O) 09 11
今回のテストでは、PEラインの浮き止めシモリ玉としては、ゴム素材のシモリ玉代替品を使用することにより、PEラインの高切れは無く、傷もみられなかったので、硬質プラスチックからゴムクッション素材への変更の効果は確認できました。
ゴム素材を使用する以上は、PEラインに負けて削られたり食い込んだりは、ある程度は仕方ありません。これ以上の耐久性を求めると強すぎ(硬すぎ)て、PE編糸が負けて高切れすることにもなりかねません。どちらかなら、PE糸を優先させざるを得ませんので。
実釣で50投近い使用に耐えられれば、通常の釣行では十分に使える物と言えるでしょう。仕掛けの軽量化を行えば、この耐久度は更に上がることも考えられます。
覚書
"浮き止め"のストッパー役となる太いPE糸は、その中心点をくくるのがコツです。左右に偏ると、シモリ玉役のゴムに食い込みやすくなります。
追記 2023.06.17
本記事アップ後の探索で発見した TGクッション S Y H741-Y-イエロー を購入して試用したところ、大変良い成績を残しました。アオリイカ釣り の活き餌用のアジ投げサビキ釣りの浮き止めに使用した結果、少なくとも100投以上はしましたが、クッションゴムの損傷もPEライン切れも発生しませんでした。よって、トップの写真を本品の物に差し替えました。
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