カニの飼養実験/チヌ釣り用の活き餌

クロダイ釣りで使う活き餌の小ガニを 徒手採捕 するのは容易なのですが、干潮時という制約があることと、常備が理想なので、飼養技術を手探りしつつ延命限界を探る目的の実験をしたので、参考に供します。

<目標> 手間最少で小ガニの長期の生存を目指す


使用するケースはダイソーの物で、選んだ理由は、コンパクトで空間が広くて深く、蓋も身も透明でなく、両サイドに取手穴があり通気性が確保できるからです。

1日目 (2024.08.19)
置き場所は直射日光が当たらないように、カーポート屋根下に置いた遮光性のあるコンテナで覆っています。内部には1㎝ほどの海水を張り、トリカルネットの小山で島を作りました。

2日目
混雑が災いしたのか、2日で9匹成仏しました。なので、水換えと同時に増量するとともに、餌として小アジ2尾をヘッドレスにして置きました。が、結果は手付かず。

3日目
4日目に水の汚れが目立ち、それが原因のようで大量に斃死。カニを一旦移して、掃除し、水換えと同時に、トリカルネットを杉板に換えて環境改善しました。浮いた杉板の下にカニは隠れ場所ができたので、移転後は直ぐに下にもぐって隠れました。餌台も設置して、小アジの生開きを1尾分置きました。

5日目
アジはお口に合わないようなので、活イボニシの殻を割って取り出し、並べました。4日目以降は水替えを連日行うことにしました。

6日目以降は収容数が減ったこともあってか斃死が治まったので、水換えだけの給餌無しで様子を見ましたが徐々に元気が無くなり、2週間経過あたりからは動きが鈍くなって、生きているだけの個体が日々増えました。

17日目
巷では餌は何でもよく食べるとも言われていますが、ここでは今まで全く何も食べません。なんとか食べる餌が無いものかと考え、アサリのむき身を給餌しました。地元の浜名湖産ではなく中国産なので、お口に合うかどうか。

18日目
元々が腐りかけのようなアサリだったので、真夏日の1日で溶けかかっていました。画像で確認しても判然としない程度に、かじったのかどうか。移動している物があるので、触れたことは確かですが。それよりも、いよいよ飼育限界が近づいたのか、5匹が斃死。最後の1匹を見送るのはいつになるのか。

24日目
間に合わせの杉のまな板を浮き島として使用していましたが、浮いていても移動時に動かないように、足付き盛台 様の物をを作って、あく抜きしたうえで交換しました。

27日目
毎日の水替えで気付きましたが、どうもカニの糞のような物が見られます。浜名湖の海水を使用しているので、その海水由来で微細なプランクトンが日々補給されているのでしょうか。


水替え直後には、しきりに何かを口に運んでいる様子が見られますが、これがもしかしたら摂餌なのかも。そして糞、なら合点がいきます。もしそうなら、水換えしている限り生き続ける可能性があります。飼養数が水量に見合う範囲内のことですが。

30日目
その後は減員なく、30日を迎えました。よって、実験は終了し、5匹にはさっそく110円の自作餌箱に入って実釣に出動してもらいました。その結果は何と・・実釣編001

最後に、カニ達の冥福を祈りつつ、飼養記録表とともに知見と感想をまとめます。


・初期収容は、甲羅幅10~25mmのカニ37匹です。
・雰囲気温度は、最高33~23℃最低でした。
・海水は、4日目から毎日交換しました。
・餌は与えても食べることは無かったようです。

☆ カニの住環境が良く、収容数に見合った十分な量の海水で飼い、日々水替え(天然海水)さえしていれば、餌無し(食べず)でも、長期(1ヶ月)の飼育ができることが分かりました。
☆ 釣りの持参餌として旅に帯同する場合にも、採捕は数日前で十分のようですが、水量と収容数のバランスに注意が必要です。
☆ 旅釣りで海辺に滞在中は、別の設備による 海面飼養 が望ましいと考えます。

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