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アカヒレイシモチの味/愛媛県愛南町での釣果

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アカヒレイシモチ in  愛媛・愛南町 図鑑によれば生息域が鹿児島以南となっていることから、アカヒレイシモチの名前に自信がありません。もし誤っていたら、ご指摘願います。 メバルに近いのかと思い調べていて、違う。はがれやすい鱗と体形がネンブツダイに似ているので、そちらを探って、この名前に行きつきました。 夜釣りのブッコミ仕掛けの底付近で釣れたものです。13cmと小型なために、餌の定期チェックで揚げるまで、針掛かりに気づきませんでした。 何でも、少なくとも1度は食べてみる主義なので、食べます。活〆して冷塩水内で一晩置いた殿様待遇の魚ですから、鮮度低下はありません。 酒蒸し   (釣獲翌日) アカヒレイシモチ_蒸し煮 初めての調理法ですが、皿に料理酒を張り、両面塩をふった魚を載せ、ビニール袋で包んで、200wの電子レンジで蒸しました。理想だとは思えませんが、環境による間に合わせです。でも、意図通りできました。 加熱中にも匂いはありません。白身ですから淡白を覚悟で口に運びました。えっ? うっ、旨い!! この旨味とテクスチャーのどちらもがトロケルような美味、という魚はそう多くはありません。 しいて似たものを思い起こすなら、アカメバルでしょうか。身の柔らかさはこちらの方が上です。天下一品。 なんと言うか、「図ったなお主 !! 」。名も知られぬ地味な風体、普通ならポイされそうな小魚が。これだから、知らないからと言って捨ててはいけないのですよ、釣り人は。 その気持ちを、なお強くしてくれた逸品でした。 オイルソテー   (釣獲翌日) アカヒレイシモチ_オイルソテー ここで褒めたせいか、翌日は3尾釣れたので、しっかりキープしました。 旨い魚であることは、上の蒸し煮で分かったのですが、何しろ小さいので調理法に迷いました。脂の無い魚で旨いと来れば、油で調理するのも良いのですが、せっかくの上品な旨味を殺しかねないので、塩焼きを目指しました。 が、設備が限られる環境だったので、フライパンで、味に影響しない程度のごく少量のオリーブ油をパン表面との間に挟んで焼くことにしました。 魚に軽く塩して置き、焼く前に水気を拭い取り、フライパンに並べて、中火から弱火に落として焼き目を付けたら表裏を返して、蓋をして蒸し焼きにして火を通します。 出来上がりには、何もかけずにそのままで。表面がパリッと焼けた...

コウイカの味/愛媛県の魚

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イカ類は、その種類が多いだけでなく、呼び名が地域で変わるので厄介です。"真イカ"と称されるイカが本邦にどれくらいあるのか。数えきれないでしょう。その地方で多くとれる普通のイカ=真イカ、のようです。この宇和海では、きっとこのコウイカがたくさん獲れて普通のイカなんでしょうね。 私はイカ釣りが苦手で、アオリイカしか釣ったことが無く、このコウイカに触るのも初めてです。でも、この値段なら買えるので、迷わずカゴに入れました。 未だ子イカですが、初めてなので贅沢は言いません。さて、どうやって食べるか。丸ごと煮てもいいサイズですが、スミイカと呼ぶ地方もあるくらい墨が多いようなので、墨煮は避けます。 刺身だけの歩留まりは3割程度しかないはずなので、可能な限り食べ尽くします。胴は刺身、頭足(腕)は茹でて、エンペラや皮は味噌汁に入れてみます。 刺身 こういか_刺身 in 愛媛・愛南町 硬いと残念なので、細めの糸造りにしました。食べてみたら、型が小さかったせいか全然硬くなかったです。ねっとりに旨味と甘みが加わって、絶品ですね。 昔々、嫌というほど獲れたスルメイカで育ったのでイカを好きになれなかったのですが、今になってイカ類の魅力にハマりそうです。 塩ゆで こういか_塩ゆで in 愛媛・愛南町 頭部を釜揚げ風に薄めの塩加減で茹でて、わさび醤油でいただきます。軟骨があるのでコリコリの食感も楽しめ、これ旨いですねー。 噛めば噛むほど、じんわりと湧いてくる優しい旨味は、暴力的な味のファストフードには実現不能の美味です。安易な生き方を問い直される、なんて大げさなことを言うと笑われるのでしょうが、そんな厳粛な気持ちになってしまいました。なぜなら、この一口も私の体を作ることになるのですから。 酢の物 こういか_酢の物 in 愛媛・愛南町 ゲソを茹でて、塩もみしたキュウリのスライスとともに甘酢で和えます。イカは幼くて柔らかく、キュウリはひねて硬く、バランスが悪かったですが、それなりに舌を悦ばせてくれました。 味噌汁 こういか_味噌汁 in 愛媛・愛南町 このイカの茹で汁を流用して、エンペラや皮などの雑品をなんでも入れてしまいました。生では嚙み切れない皮も、加熱すれば美味しく食べられます。モッタイナイ精神の後始末のような料理でしたが。 大根と一緒に煮ましたが、スルメイカのような独特の匂い...

キビナゴの味/愛媛県の魚

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キビナゴの産額が大きいのは九州のようですが、四国でも頻繁に鮮魚を見かけます。スーパーで獲れたての鮮魚を見て、迷わず買いました。税別で1パックが198円均一で並んでいましたが、よく見ると量目の表示がありません。昔なつかしい魚屋さんの一盛いくら方式です。帰ってから計ったら約280gでしたので、100gあたり税別で71円でした。高くはないものの、特別安いとも思いませんが、鮮度的価値でOKです。 さて食べ方をどうするか。当日中に食べるのが良いことは当然なので。考えた結果、刺身と塩煮にして、余分は釣りの餌にするために冷凍しました。干物も美味なので作りたかったのですが、またの機会に譲ります。 刺身 きびなご_刺身 in 愛媛・愛南町 作り方は凡そ知っていましたが、実際に作るのは初めて。やってみると、あー、カタクチイワシと同じ要領の手開きね。ちょっと鮮度が良すぎて骨離れが悪かったですが、なんとかできました。 調理中に1尾分つまみ食いしたので、まずはその感想から。ちょっとビックリのあっさり味です。イワシのような青魚特有の個性が感じられないのです。クセが無いとも言えますが、旨味が弱いようにも感じました。 サイズや漁獲時期の違いで、脂がのる冬でなく、産卵期の子持ちでもなく、とまぁあまり良い時期ではなかったのかもしれません。 きびなごは出自をたどると、カタクチイワシと同じくニシン目ですが科が違いますから、当然いろいろと相違点があるのでしょう。同じ煮干しに加工してもキビナゴの方が「クセが少なく、やさしい旨味が特徴」と言われるようです。 初めてなので不細工な出来ですが、それでもはっきりくっきりのストライプ模様が鮮やかできれいです。ショウガが合いそうですが、無いのでわさび醤油でいただきます。 初めは醤油だけで。おっ、良いですね。何もつけずに食べた時とは大違いです。鮮度が良いのでコリコリ感もあって、上等です。 次いでわさび醤油で。。言葉不要の美味。やはり刺身には、たとえモドキでもわさびの辛みも必要なんですね。納得の美味でした。 塩煮 きびなご_塩煮 in 愛媛・愛南町 どうせ食べるなら鮮度の良い内にということで、刺身に続いて食べました。 調理までの間は、ラウンドのきびなごを、2%くらいの冷塩水に浸けて半日冷蔵しておきました。調理はあらためて3%くらいの塩水を煮立てて、かろうじて火が通ったくらいに...

アカササノハベラの味/愛媛県愛南町での釣果

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アカササノハベラ in 愛南町・赤水 ベラ類を狙って釣るのは関西以西で、関東では執着しないと言われたものですが、最近はどうなんでしょうか。釣れる魚が減っているのですから、変わっているのかもしれません。そもそも旨い魚なのですから。弱点は、小さいので食べにくいことです。 活き餌用の小魚を釣っていたら比較的大きめが釣れたので、調理しました。 酒蒸し   (釣獲2日後) アカササノハベラの酒蒸し 塩を振り、なべ底にわずかの料理酒を張った中に置いて、蒸し煮にしました。 暖かい内に一口。やっぱりベラです。安心感のある美味。とんがった特徴的な旨さではなく、バランスの良い教科書的なおいしさ、とでも言いましょうか。 最後まで、醤油系の旨味を足さずに、酒塩だけで満足できましたから、十分の美味です。多少は繊維感があるものの、塩焼きなら焼き過ぎにご用心、という程度です。 これで切り身になるような大きさなら、立派に高級魚の番付に名を連ねるのでしょう。 ベラもこのサイズになると、延べ竿で釣る際には糸を鳴らして竿を曲げ、俊敏な動きで楽しませてくれます。都市近郊の釣り場では釣り尽くされて、このサイズにはめったにお目に掛かれないのかもしれません。 釣って楽しく、食べておいしいベラ類は、大好きです。

釣りの捨てオモリは小石で代用

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釣りは、掛ければキリなくお金がかかる反面、知恵と工夫でコスパの良い趣味にもなります。何しろ食べられるお土産付が付く こともある のですから。 釣りにお金が掛かる原因はいろいろありますが、その一つに"ロスト"があります。ルアー釣りでは、地球を釣った結果ルアーを失うのが典型で、餌釣りでは餌代が一番ですが、針や糸とともに錘の消耗も馬鹿になりません。 釣り用の錘は、通常よく使われるのは金属の鉛で作られたものです。これは比重が高いので、遠投するには有用なものです。ただ、いつも遠くに投げる必要があるとは限りません。 堤防からの釣りの場合では、対象魚種次第ですが、岸壁際0m~20m位の間も重要ポイントなので、実は少し投げられて沈めばOKのことも多いのです。いわゆるチョイ投げです。 でも、その辺りの近場は根掛りも多く、ロストの危険が高い場所でもあります。それゆえ"捨て錘"なる言葉があるのです。 鉛がどれほど環境を汚染しているのか定かには知りませんが、良くないことは事実でしょうから、ロストの経済損失に泣くだけで済みません。 そこで考えられるのが、自然物の小石による代用です。古来、漁業では石に縄をかけて錘として使っていました。今は自然石から、コンクリート製の豆腐石に替わったようです。 私も以前から モルタル錘 を作ってきました。型次第で成形が自由になるので、中通しの パイプ天秤錘 も作れます。 それに対して自然石は不整形なので、これを使うには縄や紐を編んで石を包み込む技術と手間が必要になります。縄や紐も自然素材は高価で、そのロストも考えねばなりません。 そこで考えたのが、適度な張りと弾力を持ったゴムバンドで小石を保持する方法です。望まれる要件は、投げる際にはしっかり保持し、根掛りした際に強く引くとゴムが伸びて石が外れる、ことです。つまり、海底に置いてきてしまうのは小石だけ。環境負荷はゼロと言えるでしょう。 小石(平均18号相当)オモリのゴムバンド掛け 使うゴムバンドは随意ですが、私は手持ちの モビロンバンド を使います。投入時と回収時に外れない程度にしっかり回し掛けます。 不整形の石なので、水中で石は回転します。なので道糸のヨレ防止のために、回転を伝えない スナップスイベル の使用が必須です。 あわせて短所を紹介します。沈むのに時間がかか...

アヤメエビスの味/高知県土佐清水市での釣果

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アヤメエビス in 足摺港 遠くに旅して釣りをすると、初対面の魚に会えるのも楽しみの一つです。この魚も、釣り上げた瞬間、なんだこりゃ、の驚きがありました。紅白幕のような派手な紅と白の縦縞が鮮やかで、熱帯に近づいたことを思いました。 硬い鱗を剥がす際に、2尾でそれぞれ一度、棘の刺さる不幸に見舞われました。事前に調べて知っていたのに、です。なかなか手強い奴です。傷が痛みそうだったので、麻酔剤入りの キシロA軟膏 で処置しておきました。 釣獲後に即締め脱血、ヘッドレスにして冷蔵、と基本の処理した魚です。食べる時点では紅白の縦縞模様の色合いは、少し落ち着きを見せていました。 アヤメエビスの腹腔内脂肪塊 大小2尾のサイズの違いが、腹腔内に表れていました。小サイズには無かった腹腔内脂肪が、大サイズにはしっかり詰まっていました。 これで味に期待していいのかというと、それは魚種次第なのです。腹腔内に脂肪塊の多い魚でも身肉には薄いことも少なくないのです。そうなると、せっかく貯えた脂肪は、刺身では口に入りません。 とりあえず、そのことは脇に置いて。 刺身   (釣獲5日後) アヤメエビスの刺身 身が硬そうだったので、薄めの平造りにしました。手元にアジ出刃しか無く、身を崩してしまったので意図が狂いました。 食感は、未だコリコリ感が残る程度で、熟成もある程度進んでいたはずですが、、。 白身の刺身で、生まれて初めてほのかな「酸味」を感じました。うーーん、としか言えません。もちろん食べられないような酸っぱさではないのですが。体調のせいか? 青背(赤身)の魚では、鮮度の良い時に感じるのが普通ですが、白身魚にも同様の乳酸の生成があるのでしょうか? 身には脂もあるのですが、旨さを感じる脂ではないようです。脂肪酸組成の違いなんでしょう。 ほのかにクセもあり、特段の美味とは言えないというのが私の感想でした。もちろん、しいて言えばという程度のケチ付けです。 鱗も骨も硬い魚なので、無理に刺身にまでしなくても良いのかな、という印象です。 酒蒸し   (釣獲5日後) アヤメエビスの酒蒸し 小さい方は、塩を振ってしばらく置き、鍋に料理酒を注いだ中で、蒸し煮にしました。 火が通ったかな、の寸前で止め。余熱で、優しく火を通します。硬い皮も破れずに仕上がったのは偶然の幸いでしょうか、新鮮過ぎたら破れていたかもしれませ...

ゆらり内海 in 愛媛県愛南町

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ゆらり内海 in 愛媛県愛南町 評価 ☆☆☆/☆☆☆☆☆ この一帯は国立公園で風光明媚ですから、観光にも力が入っているようです。ただし大都市近郊ではないので、平日には県外車を見かけることは少なく、近隣から訪れる方の比率が高いように感じました。 愛南町には銭湯がないので、旅人のお風呂は3ヶ所ある温泉?施設を利用することになります。どこも料金は大人550円で、65歳以上の高齢者は居住地に関わりなく400円になります。 この"ゆらり内海"は地物の海鮮が売り物の併設の食堂に人気があるようで、全体に賑わいを感じます。 下足から脱衣の鍵までが一連の流れで処理されるので、鍵の紛失云々のトラブルが無く、合理的です。さすが民営施設です。 夕方のせいか、脱衣室も浴室もそれなりに混んでいました。海水をろ過して加温したという潮湯が温泉の代役を務めているようですが、その浴槽には先客があって浸からずに終わりました。 全体にちょっと狭いようにも感じましたが、サウナもあって、まずまずの設備なので文句はありません。爺は400円で入れたので、満足です。 個人的感想に基づく評価の基準  ☆     二度と行かない  ☆☆    困れば行くのかな  ☆☆☆   普通に行きます  ☆☆☆☆  行く機会があると良いな  ☆☆☆☆☆ 是非とも再訪したい