アオリイカ釣り泳がせ仕掛け「垂下遊動式」を自作


「垂下遊動式」というネーミングが適当かどうか分かりませんが、要するに垂らしている物が、自由に動けるということです。

小魚を泳がせている下に掛け針がぶら下がっているのですが、アワセを入れてラインを引っ張ると掛け針がフワリと浮上して、アオリイカに絡み易くなる、というイメージです。

少し前に自作した「 ハネアゲ式 」とはコンセプトが異なり、掛け針がまとわりつく、というイメージです。独創性も加味していますが、お手本は らくらく泳がせアオリイカ仕掛け  です。

基本は伝統的なぶら下げタイプですが、それなりに重さのある掛け針は、そのままでは常に沈もうとしますので、浮力体を付けて動き易くしようというわけです。

ただ、掛け針にあまり浮力を付けすぎては、活き餌に干渉して針に掛かってしまいますから、調整も考えねばなりません。

それに加えた私のオリジナルで、仕掛けの軸にあたるラインを、一般に使われる張りのあるフロロカーボン(比重:1.78)だけでなく、しなやかで浮力(比重:0.97)のあるPEも使ってみます。


フロロカーボンライン仕様

イカ掛け針と泳がせ掛け針の針先間=13cm その上のハリス=35cm

ラインにチチワを作って、それにスイベルの環を固定したので、活き餌の魚が水平方向に回転運動すると、仕掛け全体が回転します。ただし仕掛け上端にスイベルをつけてあるので、ヨリは掛かりません。


PEライン仕様 ①

イカ掛け針と泳がせ掛け針の針先間=16cm その上のハリス=31cm

①はPEラインにチチワを作って、それにスイベルの環を固定したので、活き餌の魚が水平方向に回転運動すると、仕掛け全体が回転します。ただし仕掛け上端にスイベルをつけてあるので、ヨリは掛かりません。


PEライン仕様 ②


イカ掛け針と泳がせ掛け針の針先間=14cm その上のハリス=35cm

②はスイベルの環の中をPEラインが通り、スイベルが自由に水平回転できるようにし、下方向へのストッパーは、結びコブにビーズを使いました。仕掛け上端にスイベルを付けていませんが、そもそも仕掛けが回転することは無いという考え方です。


PEラインに黒色塗装をすると、少し堅くなって良い感じになりました。浴槽テストの結果では、掛け針がゆっくり沈む順(浮力が大きい)に PE① > フロロ > PE② となりました。

掛け針の浮き過ぎなどの動きの不具合や、塗装の剥げなど特に問題と思われることは無かったので、実釣での試用に向けます。

今回の試作では、PEラインに黒色塗装しましたが、塗装により比重が増して1を超えているようなので、もしかしたら、素直にナイロンライン(比重:1.14)を使うのがベストかもしれません。次の機会に作ってみます。


材料


主軸     PEライン 6号  フロロカーボン5号
掛け針  イカつ~るフック No.5M  ②のみ イカつ~るフック No.5S
フロート バラ芯(発泡スチロール) 10mmΦ  ②のみ8mmΦ
泳がせ針 管付チヌ3号+インターロックスナップ付スイベル7号
接着剤  瞬間接着ゼリータイプ
塗料   水性 黒
糸留め  ビーズ


作り方


1.  フロートに使うバラ芯の中心に針で穴を開け、水性塗料で黒色塗装する。

2.  テグスとビーズで、掛け針の下に1.を取り付けて固定し、フックアイでのテグスの結び目は瞬間接着剤で接着する。

3.  2.にハリス(PEライン or フロロカーボン)を結び、その上方にチチワの中にインターロックスナップ付スイベルを結び付け、上端にスイベルを結び付ける。(PE②は、上述の説明どおり。)

4.  接着部分とPEラインを黒色塗装する。(PEラインは次亜塩素酸ナトリウムで脱色して水洗乾燥した物を使用)


とまぁ、別に難しくない工程です。DIYとか自作というのがおこがましいような工作ですから誰にでもできます。

前回の「ハネアゲ式」も今回の「垂下浮上式」も、市販品との大きな違いは、実は活き餌を付ける部分にあります。市販品は軸に編みつけて針や鼻管を結んでいるものが主流のようですが、私はスナップスイベル+管付き針で活き餌の魚を付けて(上顎掛け)泳がせます。

編み付けでも一定の自由度はありますが、活き餌の魚が同じ方向に回転し続けると、いつかはヨレが固まってしまいますから、トラブルを起こします。このことをスナップスイベルは完全に解消します。

釣果を見ていないのに大きなことを言うのははばかられますが、前回までの釣行で長時間泳がせて試してみて、この効果は間違いありません。

この発想はもともと、外道としてタチウオやヒラメ等を想定した際に、編みつけ糸では切られることへの対抗策で自分で考えたことです。

私も1度だけですが、アオリイカの仕掛けに太刀魚が掛かったことがあります。ワイヤーを使っていなかったその時は、掛け針がタチウオの体側に掛かったので取り込めましたが、活き餌付けの針に喰っていたなら、切られていたでしょう。

マイナーの極みのようなこのページを覗いて下さった方は、アオリイカの浮き釣り仕掛けには「管付き針+スナップスイベル」を 是非お試しください。市販の専用針もありますが、コンパクトゆえの不利もあります。


さて、仕掛けができたので、これから3度目の正直を期待して、アオリイカ他の泳がせ釣りに行ってきます。前回の越前釣行 ではやっとアタリを得たものの獲れずでしたが、今回はなんとかタモ網に入れたいものです。

なんて、あまり勢い込むとロクなことにならないようにも思うので、肩の力を抜いて、行ってきまーす。



<記事の補足>

PEライン仕様 は主軸ラインの表面黒色塗装が艶消しで滑らかでないことが災いしたらしく、釣り中に絡みが発生しました。ラインが軽いことで浮き上がり易くなって絡んだとも考えられます。実用不可のように思います。

フロロカーボンライン仕様 は投入ミスを除けばノントラブルでした。アタリも1度ありましたが、乗らなかったので、これでOKとまでは断言できません。ラインに張りがあるのは良いことと考えられるので、細めのフロロ(比重大)か太めのナイロン(比重小)で、引き続きテストを続けたいと思います。


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