キントキダイ&タチウオを釣る in 御前崎港・鉄くず前


2019年10月9日(水曜日)



前日の焼津でのタチウオ狙い完敗事件の後遺症が残る体を御前崎港西埠頭・鉄くず前に移動してきたのは、焼津で揚がっていた太刀魚が、1.8~2.5Fと余りに小さかったからです。

少し前に 御前崎港西埠頭・お座敷 で私がたった1尾釣り揚げた太刀魚の方が、よりマシだったのが転進の理由です。


前日にボウズの原因となった餌が問題で、悩んだ結果はサンマに決定でした。なぜなら田舎のスーパーには、それ以外の適当な選択肢が無かったのです。

よりによって、新物の生サンマでした。冷凍品の解凍物の方が鮮度が良いのにね。片道2日かかる北海道沖の公海の漁場で獲ったサンマが、御前崎のスーパーに並ぶまで、7~10日はかかっているでしょう。


釣り場に着いて切ってみたら案の定で、ワタ焼けがかなり進んで腹骨がバラケ、私としては食べたくないレベルでした。身割れがあるので、カット後に塩で締めて完成。このサンマが1尾税別180円でしたから、次回は他の餌も要検討です。



本当は、御前崎港西埠頭・お座敷 で釣りたかったのですが、向かい風が強そうだったので、鉄くず前 に来たのです。ところが停泊中の船に岸壁の半分位を占められて、釣り場状況は×でした。


夕刻前に、立入禁止柵直前の係船索の端の1名定員の場所が空いたのでキープしていましたが、暗くなる頃になって、船舶関係者から立ち退き命令を食らいました。「従わなければ保安庁に通報する」とまで言われれば、泣く泣くの撤退です。

タイミング最悪の腹立たしさから、いっそ止めて帰ろうかと思いましたが、何のための1日なのかを考えると、短気を抑え、初めの場所に戻っての釣りになりました。


係船ロープの下をアンダースローでかいくぐって浮き付きの仕掛け(3cm段差チヌ5号2本針)を投げるという、難度の高いリスキーな投入でしたが、そこでしかやれないのですから。

もう1本の竿は、岸壁の車止めにセットした 自作の木製竿掛け を使って竿下に垂らしての釣りです。錘なしでムツネムリ11号の針にワイヤー+ナイロンハリスで、ケミカルライトを付けてフリーで水面から下に5mほど垂らしました。


暗くなって電気浮きが見やすくなった18時過ぎにアタリがありましたが、食い込まずに空振り。ちょっと早かったか?。

続いてすぐにまたアタリ。浮きがジィーッと沈みました。一度浮いてまた沈み、今度は浮いてきません。そろそろ良いかな?。

それから、おもむろに冷蔵庫のアイスコーヒーを取り出して、わざとらしく一口二口飲んで、やっと竿を持ちます。ソロリソロリと糸ふけを巻き取り、そーーっと聞くと、くぅーーっ、とお返事がありました。

竿を戻して一呼吸おき、また聞いてみます。また、くぅーーっ。どうやら大丈夫そうです。次は一気に、ぐいーんとアワセを入れます。ぐっ、と掛かりました。

今回2日目にして初のフックオンです。小さいのは分かっているので、すいすい巻きます。竿下で少し抵抗を試みたようですが、無視してランディング。時は18時11分。


やはりF2.5でした。この時ここでのアベレージサイズなのですから、納得するしかありません。せめて数でも釣りますか。高価なサンマを1尾つぶしたのですから。

釣ったタチウオの首をハサミでバッツンと切って、バケツに入れて血抜きに回し、ふと竿掛けの竿を見ると、激しくお辞儀をしています。

表示は4号でも実際は2.5号程度の軟弱なプロマリンの安竿が、気持ち良いように突っ込んでいました。

てっきりタチウオと思い込んで巻くと、何やら寸足らずの小判型の物が揚がって来ました。あれっ?


やっ、キントキダイですか。けっこう良い引きだったのですが・・。まっ、とりあえずは賑やかで結構。赤くて目出タイ魚ですから。

これも即〆から血抜きに回して一段落。さて地合で続くかと思い、やる気十分でアンダースローで投げますが、止まってしまいました。まさか、1尾のみとか・・。

銀のタチウオと紅のキントキダイのコンビをヘッドレスにして、冷蔵庫(+5℃)に納めます。前回まではクーラーの水氷に入れていたのですが、今回はやり方を変えてみました。

強風の予報があったものの、さほどではなく暖かいので、チーズをかじりながら飲む冷たい水割りが美味。釣り場で車中泊は、これも魅力の一つです。

ただし、落水事故が怖いのでホロ宵までですが、岸壁の梯子がすぐそばの位置は気分が楽です。それでも、臨時どこでも海水洗トイレに行く際には、「絶対落ちるなよーー」と念仏を唱えながらの放水作業です。この温度なら未だ、ショック死は無いでしょうが。

左隣に来ていた人は岸壁沿いでの伊勢海老釣りなので、私の浮きが流れていっても差し支えないのがありがたいのですが、風が強まって、かつ潮も早く、入れ直しの頻度が上がってきました。

沖目を流していた浮きが沈んだのは、前のイベントから約1時間後の19時19分でした。今度はタチウオでしょう、かなり流した沖目ですから。

慎重に手順を踏んで時間もたっぷり掛けて、ウォーッと大袈裟にアワセると、地味ーに抵抗します。2.5Fのタチウオだと、こんな程度ですか。そう思っていたら、またしてもキントキダイでした。


なんや君。あっちにも居るんかいな。そうならそうと言うといてくれな、困るがな。何が困るねん、というキントキダイからの突っ込みには答えを留保しました。

何も釣れないよりは100倍マシなのですが、タチウオはどうしたんですかね。首を傾げつつ〆て血抜きに回して、手を洗って、さて一口飲んで。

竿掛けの竿を見ると、波のせいかどうか、竿先に付けた LEDライト がフーワ.フーワと上下に動いています。波にしては振幅が大きいような。

竿を手にして上げてみると、いきなりグゥーッと引き込みました。おっ、付いてたのか。今度こそタチウオ頼むよ。タチウオを釣りに来たんだからさ。

楽しむというほどのやり取りも無いままに抜き上げたのは、またもやキントキダイ。また君かぁ。いや、嫌いってことじゃないんだよ。


ただね、今夜はタチウオ君とのアポイントメントがあるんでね、君と絡んでいると、その間にタチウオ君が帰っちゃうと困るんだよね。だから、また今度遊ぼうね。

その言葉が気に入らなかったのか、その後はぴたりとキントキダイの来訪が途絶えました。そしてタチウオの再訪も勝手にキャンセルされて、夜が更けていきました。


隣の伊勢海老釣師に話を聞くと、一晩で3~10尾の釣果があるそうで、サイズは200~300g位の物が多いのだそうです。向きを変えた段差3本針に小角のイカ刺しを付け、底付近でアタリを待つのだそうです。

柔らかくて短いルアーロッドに小型のベイトリールを付けて、竿先のライトを見つめ続けるという、なかなか繊細で楽しそうな釣りを見せてもらいました。

私が少し前の9/20に 伊勢海老を偶然釣って しまった話をしましたが、その人のレコードは750gとのことでした。それはともかく、味の方は私と同様に、イマヒトツとのご意見でした。やはり見た目の物ですか。


結局この夜も、23時の納竿までにタチウオは1尾のみで終わりました。反動で 延べ竿でタチウオ の釣り放題をやった和歌山の楽しかった夜が懐かしく思い出されます。またいつの日にかきっと。


備忘録

この日の御前崎港西埠頭・鉄くず前では昼間には泳がせ釣りの人が多く、カンパチを狙ってサッパを泳がせていました。釣れれば45cm級とのこと。前日には50cmのヒラメを揚げた人の話を聞いたり、イナダの揚がるのを実見しました。落ちていた仕掛けはワイヤーではなかったので、昼間のみの釣りなのでしょう。


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