キャンピングカー自作前の"構造変更車検"

車中泊車両をキャラバンNV350で自作 - 4

キャンピングカーは、ベース車両を改装して自作する場合に、この 構造等変更検査 が必要になることが少なくありません。例えば、屋根の上に飛び出す形状のベンチレーターを取り付けると、ほぼ間違いなく4㎝以上高くなるので、この構造変更車検が必要になります。

これによりベース車両が4ナンバーなら1ナンバーに変わり、税金や保険の負担も変わります。それとともに車検は新規扱いとなり、残りは捨てて、交付の日から起算になるので、よく考えてから行うべきです。

私の場合は、自作ベースを中古車にした関係で、この構造変更車検が必要になりました。中古車は1点物ですから、いろいろな条件を加味して選ぶと、なかなか希望通りの車が見つからないことは、普通のことです。

私は、3人乗りのNV350キャラバンを中古で買って、荷室に積載物として車中泊のためのキャンピング設備を載せるだけで使うつもりだったのです。この場合には車には変更を加えないので、通常の 継続車検 を受けられます。

しかし、どうしても納得のいく車が見つからず、実際に買ったのは、スライドドアに窓付きの6人乗りでした。無い物を足すのは費用が掛かるのは当然ですが、不要な物(2列目シート一式)を外す方が楽、そう考えたのですが・・。

都会であれば"構造変更車検"に慣れた指定整備工場(民間車検)を探すのに苦労することは無いかもしれませんが、私の暮らす地方では、そうではなかったのです。

数社から話を聞いたうえで、2社から見積もりをもらいました。いずれにも、2列目シート除去済の現車を見せています。

B社
お世話になります。●●●●●の●●です。
先日はご来店ありがとうございました。
お待たせしました。問い合わせ頂いた構造変更の回答です。

費用の見積もりです。
 →構造変更手数料 44000円
  ナンバー費用  1460円(希望ナンバーの場合5500円+4160円)
  印紙代    約2500円
  合計     47960円
 概算ですがこのような金額になると思います。
※追加で金額がかかる可能性があるのでご了承ください。
※ 
車庫証明取得が必要なのと構造変更当日はガソリン満タンでご来店お願いします。
貨物ナンバーになるため運転席、助手席と荷室を分ける保護バーが必要になるのとバン用タイヤが付いてない場合はバン用タイヤが必要になります。
その他申し訳ないですが、慣れない構造変更作業になるのでその都度ご不便やご迷惑をおかけすると思いますがご理解、ご協力お願いします。

A社
 〇〇 〇〇 様
前略、乱筆乱文にて失礼します。
 年末年始でバタバタしてしまい〇〇様への御連絡が遅延しまして、申し訳有りません。〇〇様からの御依頼の件、当社整備責任者である副社長の△△にも確認しまして、正確な数字は、あくまで陸運事務所に手続きした段階でないと確定できない、という状況でもありあくまで、概算にて御了解頂けると、うれしく存じます。
 
自賠責保険料 25000円位
重量税 20000円位
陸運事務所での検査及び登録手数料関係 55000円位
構造変更に伴う整備一式 多めに考えて 100000円位
トータルで、ざっと、200000円位
以上で行けるのではないかと考えております。

 以上、よろしく御願いします。

令和4年1月11日・火曜日
□□自動車工業所
□□ □ 

A・B社どちらも経験が無いことで、腰が引けているように感じました。構造変更手続きでは大差無いようにも見えますが、整備費用で差が出ると判断しました。すでにシートは外してあるのですから、年式の古くない車(2018年)に特別の整備が発生することを前提にする必要は無いはずです。おまけにB社は、見積もりがメールで届くまでに2か月掛かりました。

消去法でA社に依頼して、2日間預けて完了しました。費用は以下の通りで、ナンバーは変わらず、車庫証明も新たには不要だったので、請求明細は以下の通りでした。純粋に構造変更の費用としては、税別3万円ということでした。

車検の有効期間は、車検証発行日から1年になるので、少し切り捨てになりましたが、これは致し方ありません。車両重量は、2列目シート、ベルト等を外して、1760kgから1720kgへと40kgの減量になりましたが、重量税の区分は不変です。


田舎では、相見積もりという習慣が無い場合もありますが、やはり必要だと思います。2社で20万円と8万円の違いは、まぁいいか、とは言い難いですね。

当初、自分で検査場に持込むことも考えましたが、後のこともあるので先行投資しました。

実は今回の業者選びは、この先長く影響することになる可能性があります。今回の構造変更車検は空っぽの車で受けましたが、次回からの継続車検では、荷物(キャンピング設備)を積んだまま受ける予定なのです。

私の初代の自作キャンピングカーである スズキエブリイ DA17V では、新車購入したディーラーと別の指定工場で各1回、合わせて2回の継続検査を、積載物(造作・設備等)を積んだままで通しています。

この、積載物を降ろすかどうかということには明確な基準は無いようです。あまり多くの荷を積んでいると、ヘッドライトの光軸が・・とか言われましたが。

軽バンと違って、4ナンバーのNV350キャラバンは小型貨物車ですから、継続車検は毎年で、ただでさえ厄介です。今回の"構造変更車検"からお願いすることで、後々の継続車検をスムースに運ぼうというわけです。

私の場合、設備の固定は全てボルトナットや木ネジなので外せなくはありませんが、重いバッテリーやソーラーパネルを始めとして、家庭用冷蔵庫や作り付けのベッドや収納設備等々、全部降ろすなんて、、、絶句。

自作ベース車両は、中古なら、なるべくはこの"構造変更車検"が要らない物が望まれます。

(この記事は流れ優先で、実際は製作途上に、仮設置の物を全て解体して受験しました。)

追記 2023.02.25
製作(改装)後1年の継続車検が、結果として構造変更車検になってしまいました。上記記事中に、解釈の誤りが判明しましたが、経過を残す意味で訂正を行いません。別記事 キャンピングカー自作後の"構造変更車検" を参照して、情報の上書きを願います。

前の記事 キャンピングカー自作の安全担保(賠償責任)

コメント