自作キャンピングカーの床張り
車中泊車両をキャラバンNV350で自作 - 5
下地床張り
NV350キャラバンのコンパネ床 |
キャンピングカーを自作する際に、かなり手間ひま掛かるのが下地床張りです。これがいい加減だと、設備を架装するのに苦労します。必要な強度があり、水平がとれていて、床鳴りがなく、断熱性が保たれていて、総じて快適なこと。
そもそも、車の鉄板床はリブだらけな上に、微妙な段差があるので、最終的には部分ごとの微調整が必要です。簡単にパパッと置いて留めて終わり、にはなりません。
現車のNV350キャラバンの床を裸にすると、中央近くに燃料タンク上面へのアクセスのための開口部があり、もう一つの開口部が右サイドドアに接して在ります。万一故障の際に厄介なことになりかねないので、念のために開閉可能な造りとします。
およその床サイズは、最大幅で前後が286㎝、左右が154㎝です。これにどんな材料で、どんな施工をするのか。いろいろ考えられます。
自作のベース車がハイルーフではない標準ルーフなので、少しでも床面を上げないために、今回はタイプ-1のコンパネ(耐水合板 3×6尺 t=12mm)直張り(置き)の上にカーペット敷にします。
本当は自作初代 エブリイ のように無垢板を張りたいのですが、安価で軽く作業性の良い野地板は反りがキツイので、断念しました。
さて、作業の始めは剥がしからです。すべて剥がすと、見ただけでウンザリするような、1~15mm程度の段差だらけです。その一番高い所に、すべての箇所を合わせるのが基本です。
床の型取りと床材への転記
この車は低床車なので、タイヤハウスが飛び出していますから、これを避けて床を張ることになります。まずは型取りです。
純正のマットならそのままで型に使えそうですが、必ずしもそうとは言い切れません。織物の敷物なら少々の狂いは、変形して納まります。でも、実際に張る厚い合板は変形しませんから、大きすぎると嵌りません。そこで微調整が必要になります。
重い合板を何度も少しずつカットする仕事はたいへんなので、型の方をなるべく正確に作ります。マットを車の床にキッチリ当てて、余分は切り取り、不足は紙などで継ぎ足します。そうしてできた物を、合板を切る元の型とします。
型の形状を見て、継ぎ目の位置と歩行位置を想像し、合板の配置を決めます。それまでに空間設計がおぼろげにでもできていることが前提です。今回は、手持ちの端材を少し足すことで、サブロク板3枚で足りることが分かりました。
車内の左右幅は1800mm未満なので継ぐことが無く、縦方向は床下のリブ間に挿入する板に固定して継ぐので、配置はこのスタイルが正解でしょう。
平らな場所に合板を敷き、その上に型を置いて、鉛筆で切る線を書き入れます。合板の表裏に注意して、設置の際に表が上に来るように !!
床材の切り出しと微調整
線を記入した合板をカットします。直線は丸のこを、曲線はジグソーを使います。曲線は、どこから切るかで作業の難易が変わります。
床の最後部から順に1枚ずつ、切ったり削ったりして当てて微調整を繰り返しながら、なるべくピタリと納まるように作業します。最後部が納まったら、順に前に進み、端材の1枚を含めた4枚で床を埋めます。
コンパネは1枚で13kg前後の重さがある上に、標準ルーフ車での作業は中腰なので、なかなか大変な仕事になります。女性には厳しいかな、という程度です。
床の不陸修正
裸の床の下地の鋼板の凸凹を埋めて、置いた合板が水平になるように、鋼板と合板の隙間に2~12mm厚の合板端材と1~3mm厚の ゴムシート を置いて調整します。ゴムシートはズレて外れるのを防ぐために 接着剤 で固定します。タッカーを使うのもアリです。
合板の上の荷重も想定しながら、結果としてタワミや床鳴りが起きないように、根気よく作業します。架装が終わってからの修正は、不可能です。続けて架装に進む場合には、この時点で床下の配線や配管も施工する必要があります。
合板の接続部分には、両方にまたがるように下に板を配置して、ビス止めします。これにより全体が1枚の床のように仕上がります。その時に全体の水平がとれていないと、後に家具的な造作を施工する際に隙間ができます。
NV350床張り完成 |
追記 2022.04.18
仕上げ床張り
施工の大変さは前述の下地床の方ですが、仕上げもおろそかにはできません。快適性に直接影響しますから。
この仕上げ床は、造作がすべて終わってからの施工になるので、下地とは時間差があります。
動く車内で揺れる設備の設置は固定にならざるを得ず、移動できないそれらの下に仕上げ材を貼る意味がないので、仕上げ床が必要になる部分は限られます。
今回のキャラバンでは、30㎝角5mm厚の 特殊樹脂ワックス仕上コルクタイルAW-N5を17枚使いました。
本来は下地に接着施工する物のようですが、下地床開閉の可能性があるので、薄い両面テープで仮止めのように施工しました。
コルクの材質が硬いことと、主要部分は、押さえながら見切り材(5×10mmラワン材)を押し付けるようにしながらビス固定したので、動かないことを期待します。
価格の安さと弾力が魅力で、多く使われるジョイントタイプの コルクマット を使うことも考えたのですが、サンプルを見て傷みが早そうなので断念しました。
無垢のコルクも壁用は柔らかいのですが、床用は固くて高価です。ただ、17枚×0.09㎡=1.53㎡ と狭いので、贅沢をしました。
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