浅い海で小魚を釣るには

上から右回りに メジナ ホシササノハベラ クロダイ カサゴ

浅い海に大魚が居ない理由はただ一つ、彼らにとって危険だからです。空から襲う鳥たちはカモメ、ウ、サギ類と共にワシ、タカ、トンビ等の猛禽類もいるので、かなりの大魚まで狙われます。

なので、経験値の高い大魚は、餌が豊富であっても昼間に浅場に来ることは先ずありません。深場で過ごします。

これにひきかえ、小魚は深場に行くと大魚の餌食になるので、原則として深場には寄り付けません。

浅い海では空からの鳥に襲われる危険もありますが、小魚は発見されにくいために、よりマシ(安全)な浅場に居るものと考えられます。

ただ、浅いだけに垂直移動で逃げることができませんから、少しでも危険を感じると、ササッと横移動で逃げます。

そして常に警戒を怠らないこれらの小魚は、実は浅い海では釣るのがかなり難しいのです。特に活性の低い寒い季節は。

水深 0~60㎝ の浜名湖湖岸 2022.12.21撮影

潮が濁っていればともかく、浅いと底まで見えてしまうケースが多いはずです。人から小魚が見えやすいということは、魚からも地上の人は丸見えになっています。

ですから、こちらの姿を察知すると、即座に逃げて安全圏に行ってしまいます。仕掛けを投入しただけでも逃げてしまいますから、釣りが難しくなるのは当然です。

とはいえ、彼らも食べなければ生きることも成長することもできませんから、餌は食べたいのです。

さて、どうすれば釣れるのか。特別の裏技的釣法があるわけではありません。

その方法は、基本に忠実に、高度化するだけです。

1. 人の姿を見られない

 可能な限り離れた位置で喰わせることができるように、長めののべ竿で、泳層に合わせた浮き仕掛けを流して送り込みます。

2. 魚好みの餌を使う

 活性が低い時は万能餌であるアミの1尾通し刺し、またはオキアミの小切れが向きます。活性が高ければ、イカや魚の極小切身などでもOKです。

3. 針は小さく

魚種にもよりますが、鮎エサ2号針 ならたいていの魚種に対応できます。小針で返しがあると外しにくいので、スレ針が向きます。返しがある針を使う場合には、プライヤーなどで潰しておけば同様に使えます。

4. ハリスは細く

細いほど柔軟で見えにくいですが、あまり細いと切れやすいので、0.6~0.4号 位が使いやすいです。

極小針をハリスに結ぶ のは少々厄介ですから、針結び器 を使う方が良いでしょう。中国製の安価品も見かけますが、どうも精度的な不具合があるようです。

いっそのこと、ハリス付きの針 を使えば、面倒から解放されます。

5. その他

 ・浮きは最小限度の浮力を備えた目印なので、なるべく小さな中通し玉ウキが向きます。
 ・スイベルは無くても可能ですが、ごく小さなスナップ付きのものを使うとハリス換えが楽です。投入の際にはオモリの役目も果たします。
 ・究極の喰い渋り対策は、ライン・ハリス通しの脈釣りですが、魚から竿や人が見えるので、水面平穏の場合には必ずしもベストでもありません。

= 釣り方 =

仕掛けを魚のいる場所の潮上からそっと投入して流しますが、浮きが先行する場合には、ときおり道糸を引いて、餌がウキより先に進むようにします。これが誘いにもなります。すべて、静かに、ていねいに。

浮きが沈んだら聞き合わせします。引き込むようなら、静かに寄せて抜き上げます。


 冒頭写真の小魚4種は、12月中旬に浜名湖岸で釣ったものですが、下旬になって本格的な寒波が来て水温が下がったら、小魚は何も居なくなってしまいました。それでも、活かしバケツに入れて沈めて置いた魚は、底で冬眠中のように生存していました。

 今回の小魚は、泳がせ釣りの活き餌を現地調達するために釣ったものですが、泳がせ釣りの結果ゼロを想像して、実釣することなく海に還しました。なにごともタイミングですね、遅すぎました。

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