ハクビシンの駆除は素人でも可能 5/6

ハクビシンを殺処分する

ヒトが他の生物の命を奪うことは、軽々に行うことではありません。ただ、種としてのヒトが生きるためには、他の種を利用しコントロールすることが、必要悪という以上の自然な行為でもあると、私は思います。

実際に被害(実害と威迫)を受けた立場では、命を奪うにあたって、憐憫の情よりも憎悪の気持ちが勝ったので、心理的抵抗は意外に小さかったです。

害獣としてのハクビシンの命を奪う行為は、社会的に認められた行為です。ただし、好んでする行為ではありません。なるべく穏やかに粛々とするのが適当です。


ハクビシン捕獲ことはじめ にも書いたように、慣れない素人は捕獲はできても止め刺しが容易ではありません。

また、動物愛護管理法(第40条)により「動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。」と規定され、これに基づく指針が定められていて、従わねばなりません。

動物の殺処分方法に関する指針(抜粋)

第1 基本原則
管理者及び殺処分実施者は、動物を殺処分しなければならない場合にあっては、殺処分動物の生理、生態、習性等を理解し、生命の尊厳性を尊重することを理念として、その動物に苦痛を与えない方法によるよう努めるとともに、殺処分動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害及び人の生活環境の汚損を防止するよう努めること。

第2 定義
(4)苦痛 痛覚刺激による痛み並びに中枢の興奮等による苦悩、恐怖、不安及びうつの状態等の態様をいう。

第3 殺処分動物の殺処分方法
殺処分動物の殺処分方法は、化学的又は物理的方法により、できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によるほか、社会的に容認されている通常の方法によること。


私は捕獲した場所で、箱罠に入ったままの状態で看取り、捕獲当日に衰弱死を確認しました。死後は、寄生していたダニやノミなどの動物が離れるので、注意して速やかに敷地内に埋却処分しました。


私の行った"自然死"は、捕獲後はずっと人目に触れない所に静置していただけなので、法と指針の範疇に納まるものと解します。

ハクビシン 死後の横顔

ハクビシン 死後の足(肉球と爪)

生存中は見ることのできない姿を写真に収めた後、屠りました。


1匹捕獲、殺処分したのでもう大丈夫、かどうかは分かりません。まだ他所にいる個体が、新たなテリトリーに加えてやってくるかもしれません。

ただハクビシンの場合には、イノシシが集団で来て田んぼ1枚の稲を食い尽くすような、大きな被害は発生しないようです。

ブドウにまたハクビシンの被害が出たら、直ちに同様の捕獲をすれば良いでしょう。自分でできるようになっておけば、再び起きても対応は容易です。

ということで、ひとまずは一件落着です。


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