ハクビシンの駆除は素人でも可能 6/6

ハクビシンの食害からブドウを守る忌避剤

ハクビシンの駆除というと、捕獲して殺処分することが主眼になりますが、追い払うことも一つの方法です。市販品も多種ありますが、総じて効果が継続しないという難点があり、費用がかさむのが実態のようです。

費用の低減という意味で、自作して試験します。ハクビシン以外にも効果がある物で、唐辛子の辛み成分のカプサイシンです。これをブドウの紙製の傘にしみ込ませて使います。


被害時期の間に効果が薄れてきたら、唐辛子抽出液を再度噴霧(滴下)して復活させることができます。

< 材 料 >

 紙傘

紙 (新聞紙のように吸水性が高く印刷の無い物)

 忌避剤



  (アルコール濃度の高い飲料)

高濃度のエタノールが至適だとは思いますが、焼酎や安価な ウィスキー を使うのが現実的だと思います。

食紅  (必須かどうか??)

< 作り方 >

 紙傘


1. 紙を25~30cm位の正方形に切り、1/4に畳み、中心になる部分を、小さく切り落とします。
2. 畳んだまま中心まで一ヶ所切り開きます。

 忌避剤

1. ヘタを取った乾燥唐辛子を、浸る程度の量の40℃程度のぬるま湯で戻します。
2. ミキサーに1.と酒を入れて、1.を細断します。


3. 2.を容器に移して1週間ほど、室温下に置きます。
4. 3.を目の細かなザルなどで濾して、別の容器に保存します。(食紅を入れるならここで)



5. 畳んだ傘をビニール袋に入れ、ちょうど吸収しきる量の4.を注ぎ入れて、なじませます。


6. 4を袋から出して、洗濯物を干す要領で、吊るして陰干しし、乾燥させます。

なお、ここで作る紙傘は、雨避け施設下で使用することを想定した物なので、屋根あり葡萄棚でないと、一雨で流されて失効する可能性があります。これは、ラー油のように植物油でカプサイシンの抽出を行えば、改善できる可能性があります。

< 使い方 >

傘の紙を開き、ブドウの果柄に差し込み、1/4が重なるように合わせて縁の3か所をホチキスで留めます。(冒頭画像)

< 使用実験 >

ハクビシンを捕獲した際に、檻に 紙傘 を近づけて観察しました。


それまで、中央で寝そべって静かにしていたハクビシンは、奥の隅に下がって逃げようとする挙動を示しましたが、それは一時的でした。その後も、落ち着きを失う程度の変化は認められました。

カプサイシンに対して、恐怖で逃げ出すというほどの忌避効果は認められませんでしたが、実用に供すれば、異常を感じて近寄らないという可能性はあるのかもしれません。



追記 2021.09.01
 この忌避剤を大型の蜂に使用したところ、効果がありました。


前日まで樹脂ネットを食い破って中に入ってブドウを食害していましたが、蜂が活動しない夜間に忌避剤傘をかけたところ、翌朝以降は被害発生が止まりました。

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