キャンピングカー自作の安全担保(賠償責任)

車中泊車両をキャラバンNV350で自作 - 3

NV350キャラバン_屋根上ボルト(穴)
走る凶器とも言われる自動車の事故は、どんな車にも誰にでも起こり得ることですが、キャンピングカーは特に危険性が高いものです。

車高と重心が高く、装備品が車外に突出していたり、走行性能が落ちていたり等々、ベース車両より安全性が劣る危険があります。

キャンピングカーを自作するということは、製作も使用も全てが自己責任ですから、製作中の怪我にも気を付けなければなりませんが、より大事なことは、使用中の事故です。つまり、万一の事故による賠償責任です。

私がNV350キャラバンを自作でキャンピングカーにするにあたって考えた危険性と、それへの対処を記します。

自作キャンピングカーの事故対策(賠償責任)

人が人である限り、ミスをゼロにはできません。だから賠償責任保険があります。ただし、保険が有効になるのは、約款に書かれた範囲内です。

虫眼鏡で読む人は稀でしょうが、知っておくべきことは、「対人賠償責任保険では、未必の故意の場合も免責事由になることがありえる」ことです。

「ヤバそうだけど、まっ、任意保険もかけてあるし・・」という場合にはアウト(保険金が支払われない)の可能性も有り得ます。この点は、自作者には要注意でしょう。

具体的な任意保険対策

車両改造に伴う車検と保険の関係

いわゆる改造車を、保険会社は嫌います。いざ事故が起きて保険金の支払いになった時、その原因に"改造"が絡むと厄介だからでしょう。販売時点で8ナンバー取得済のビルダー製ならともかく、素人改造車は受け付けない保険会社もあるようです。

しかし自作のキャンピングカー製作には、大なり小なり改造が伴います。私の場合には、元々の[4]ナンバーを[1]や[8]に変えない範囲で、かつ車検証に改造車の[改]の印を付されないことを目標にして、保険的意味での安全を担保することにしました。

私の場合には、中古で購入した改造ベース車のNV350キャラバンが6人乗りだったので、2列目のシートを外して6人乗りから3人乗りに乗車定員を変えるために 構造変更車検 を受けました。これは[改]にはあたらず、ナンバーも変わりません。

車両改造等の安全維持対策

任意保険(対人・対物以外)は、故意や重過失でない万一の事故の賠償責任を補償します。なので、自分なりに(他人が見ても)安全と思える方法で改造等を行います。基本は全ての設備を積載物と解されるように作るキャンピングカーですが、外見上明らかな物もあります。

私の車へのソーラーパネルの取り付けは、約 1000wの発電能力を目指し ている関係で、屋根上に60kg以上の物を載せることになります。それゆえ軽量化のために市販のルーフキャリアを避けて、ルーフキャリアーもDIYします。その安全と事故への備えは重要です。


車両積載物に対する保険会社の姿勢

万一の事故の際に、保険金が支払われるのかどうかを知っておくために、インターネット自動車保険会社に尋ねた質問と回答の要旨を、ここに記します。

==== 問い合せ ====

証券番号 〇〇〇〇 加入者本人です。

事故の際の補償についてお尋ねします。

現状、車の屋根の上に 市販のキャリア を取り付けた上に、汎用金具とボルトによりソーラーパネルを固定しています。

1. 万一、運転中にこれら物品の落下事故で損害賠償請求を受けた場合に、補償対象になりますか?

また、近い内に車を入れ替えて同様の積載を計画していますが、その際には市販のキャリアではなく、屋根面にある車メーカー既設のボルト穴に、汎用品材料(金属、樹脂等)でボルト止めする計画です。

2. この場合も補償対象になりますか?

1.2.いずれも善管注意義務を果たすことを前提としています。

==== 回答 ====

 いつも〇〇損保をご愛顧賜り、誠にありがとうございます。

お問合せいただいた件ですが、走行中に自動車の一部または積載物の落下により第三者に損害を与えてしまい、被保険者に法律上の賠償責任が生じた場合には、自動車保険の対人賠償、対物賠償が対象になりうるものと考えられます。

なお実際の保険金支払い可否につきましては、事故が生じた際の個別の判断となりますので、あらかじめご了承ください。

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以上の質問と回答から分かることは、自作の取り付け工事であっても、原則として保険は有効ということです。

ソーラーパネルは、長期の車中泊には必須の設備になりつつありますが、自作となると相当慎重であるべきで、その設置については"NV350キャラバンへのソーラーパネル取り付け方法"で紹介します。

車両入替に伴う重複(2台持ち)期間の保険

キャンピングカーを自作するには時間がかかりますから、車が必須の地方在住者は、(一時的には)2台の車を使用するケースも有り得ます。任意保険無しの車はリスクが大きいので、たとえ短期間でも掛けるべきだと思います。

私の場合には、入れ替え前の車の任意保険を入替後の車に移し、入替前の車に新規に保険を掛けました。今回は、もしかしてと思い5年前に取得しておいた保険の"中断証明書"があったので、20等級スタートで格安に掛けられました。

自作施工に伴う危険回避

DIYする人はその多くが素人ですから、安全教育など受けていません。見様見真似、試行錯誤、という危なっかしい作業になります。

何が、どうなると危険なのか、自分で考えるしかありません。その前に取説などを読むのは必須ですが。

目に見えない電気は素人には特に厄介な物ですから、よく勉強してから、絶縁手袋 等の安全対策を講じて作業するのが鉄則です。

周囲や自分を傷つけることなく、DIYで自作とキャンピングを楽しみましょう !!

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