自作キャンピングカーのシェード(窓ふさぎ)製作

車中泊車両をキャラバンNV350で自作 - 10

3層構造の固定シェード

長期の車中泊を快適に続けるには、安眠が絶対条件です。その環境を作る要素の一つが、外部からの視線と光線を遮断する窓ふさぎです。

NV350キャラバンの居住スペース(荷室)にはスライドドアを含めて5ヶ所に窓があります。ほぼ全面(方位)にガラス窓があると言えます。ビルダー製のキャンピングカーと比べると開口部が多すぎて、このままでは落ち着けません。

昼間はともかく、電燈を点けた夜には、車内はガラス窓越しに丸見え状態になるので、そこに平然と居られる人は少ないでしょう。

車中泊の際に窓に目隠しを付けるのは半ば常識ですが、どこにどんな形の物を設置するのか、その自作の一例です。

私の初代自作キャンパーの エブリイ では、ガラス窓に8mm厚の銀マット(発泡ポリエチレンフォームにアルミ蒸着)を両面テープで貼り付けましたが、3年ほどでアルミが浮いて火ぶくれのようになりました。

固定式の遮熱目隠しシェード

全5窓のシェードを全て可動式にするのも一法ですが、締め切りで良い場所は、固定式にした方が管理が楽です。

ただ、締め切りと言っても、車のガラスは真っ平らな板ガラスの場合は少ないので、その曲面に沿わせて設置するのは難しいです。


ここで使った方法は、(昔の)鉄道車両内の天井から壁にかけての曲面に設置する広告印刷物固定具の援用です。

2mm厚の両面アルミのマット(セリアで購入)をガラスに押し付けて、型どり省略で、ガラス面に押し付けて ロータリーカッター で切り出します。

この銀マットを押さえる板は、2.5mm厚のベニヤ板を帯状に切った物です。ガラスと鉄板枠の間に挿し込めない場所は、ベニヤ板を薄く削って差し込みます。


内側に湾曲させてセットした板を、外側にガラス面に押し付けてパチンと密着するように、板の長さを1ヶ所ごとに微調整します。曲面に沿いにくい場合には、鍋から上がる水蒸気の中でカーブを作ります。

ベニヤ板のタイプによっては水濡れで剥離するので、注意が必要です。同様の物を樹脂で作るなら、対候性の強いポリカーボネートが向きます。ただ、入手と価格に難ありです。


この遮熱目隠しシェードは、実用的にはベニヤ板で抑えただけでも用を成しますが、このままでは見た目に違和感があるので、むき出しになるバックドアではベニヤ板を塗装しました。

スライドドアの窓ふさぎ

こちらは、小窓の開閉に干渉することで、もう少し難しくなります。3分割のガラス窓のそれぞれがが異なり、前記のようなベニヤ板とアルミマットでは作れません。

3つの部分それぞれを紙で型どりし、段ボールに写し取って嵌め込みの調整をし、それを基にして3mm厚の スチレンボード をガラスに沿って外反するように精密にカットします。


外側にはアルミ箔を、内側にはビニールクロスを貼り、嵌め込む窓枠との接触面には 5mm幅の両面テープ を貼り、前述のベニヤ板同様に反りを利用してはめ込みまます。

この3層構造が厚みの限界で、小窓の開閉スライド時には少しスレますが、自作着脱式の 排気ファン も取り付けられます。


残念ながら、外側のアルミ箔が曲面ガラスに密着せずに波打ちましたが、実用上は問題なしです。銀マットの蒸着アルミより厚いので、遮光(反射)性能は上でしょう。

なかなか難しい細かな作業でしたが、出来上がってしまえば半永久、を期待します。

残りの窓2ヶ所と間仕切りの カーテン施工 は別記事とします。


補遺 2022.07.03
スライドドア小窓の固定シェードに不具合が発生したので、補修しました。

窓ガラスの外向き湾曲に沿わせるように施工しましたが、左・中の2枚が内向きに反ったので、3枚とも施工方法を変更しました。

変更点は従前のアルミ箔に換えて、片面粘着の 壁紙シール メタリック を先にガラス面に貼り、その後に従来のスチレンボードの外(ガラス)側に両面テープを貼って、各層間を全て粘着させることにしました。


多分、これで近未来の内反りは抑えられるでしょう。出費はありましたが、アルミ箔の継ぎ目が無くなり、粘着でぴったり貼れたので、きれいに仕上がりました。

取説では直貼りするような説明でしたが、私は水貼りしました。それでも細かな泡が残ったのは、技術未熟でしょう。


ちなみに、この壁紙シール メタリックは、なかなか使い勝手が良く、透過率も低くて遮光性が優れています。耐久性は未知ですが、お勧めできます。

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