自作ルーフキャリアーの適法性とその根拠
車中泊車両をキャラバンNV350で自作 - 11
自作ルーフキャリアーは、堅牢に作られていて、車への着脱が工具により可能で、かつ運転の妨げにならない物であれば、積載物との合算で積載制限重量を超えない範囲で、適法な物です。
理屈上はこのようになりますが、もしDIYするのなら、危険を伴う物であるとともに、対外的な必要が生じることもあり得るので、その法的根拠も理解しておくべきだと思います。
自作ルーフキャリアーに関する根拠法令
万一の不幸な事故の際には、最終的には保険に頼るとしても、そもそも自作のルーフキャリアーやルーフラックが違法な物であれば保険金が支払われないかもしれません。
ルーフキャリアーを自作する人は多くないようで、ルーフラックなどの法律論の記事はネット上には少ないです。したがって、自作のための法的検討までする例もあまりないようです。
根拠法令を順に見ていきます。
道路交通法施行令 令和三年六月二十八日改正
(自動車の乗車又は積載の制限)
第二十二条
二 積載物の重量は、自動車にあつては自動車検査証に記載された最大積載重量を超えないこと。
三 積載物の長さ、幅又は高さは、それぞれ次に掲げる長さ、幅又は高さを超えないこと。
イ 長さ 自動車の長さにその長さの十分の一の長さを加えたもの
ロ 幅 自動車の幅
ハ 高さ 三・八メートル
<注> 道交法にキャリア(積載装置)についての記載は無い。
自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて(依命通達) 平成7年11月16日
(1) 用語
記1に用いる用語の定義は次によるものとする。
① 「簡易な取付方法」とは、手で容易に着脱できる取付方法のものをいう。
② 「固定的取付方法」とは、簡易な取付方法又は恒久的取付方法以外の取付方法をいう。
③ 「恒久的取付方法」とは、溶接又はリベットで装着される取付方法をいう。
④ 「指定部品」とは、ユーザーの嗜好により追加、変更等する蓋然性が高く、安全の確保、公害の防止上支障が少ないエア・スポイラ、ルーフ・ラック、ショック・アブソーバ、トレーラ・ヒッチ等別途定める自動車部品(以下「指定部品」という。)をいう。
(2) 次の各号の一に該当する場合には、車両法第67条第1項の適用については施行規則第35条の3第8号に係る自動車検査証の記載事項について変更があったときに該当しないこと~とする。
② 指定部品を固定的取付方法により装着した場合
道路交通法 令和3年4月1日改正施行
第55条
第2項
車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.9.26】
(物品積載装置)
第193条 荷台その他の物品積載装置の強度、構造等に関し、保安基準第27条第1項の告示で定める基準は、自動車の荷台その他の物品積載装置は、堅ろうで、かつ、安全、確実に物品を積載できる構造であることとする。この場合において、次の各号に掲げるものは、この基準に適合しないものとする。
一 著しく損傷している荷台その他の物品積載装置
再度、要約すると以下の通りです。
制限を超えない大きさで、著しく損傷していないキャリアは、工具で着脱可能な物であれば、運転の妨げにならない限りは、自作の物でも使用できる。
ただし、高さが2mを超えない部分には、別途 突起物規制 があるので要注意です。
追記 2023.02.26
本記事の自作ラックについては、キャンピングカー自作後の"構造変更車検" の際に指定工場経由で陸運支局に、その適法性を確認しました。
一時的にキャリアが必要となるため、大変参考になりました!
返信削除お褒めにあずかり、ありがとうございます。
削除