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岸壁で魚アラ捨て廃掃法事件の顛末記-2/2

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岸壁から釣った魚のアラを捨てて検挙され、取り調べを受けた話は 岸壁で魚アラ捨て廃掃法違反事件の顛末記-1/2 に書きました。そして捜査した事件は、原則として全件が検察庁に送られます。 書類送検された事件の扱いや処分は、書類を送られた検察庁の担当検事が決めますが、不起訴の場合には被疑者に通知されることはないようです。でも当人にとっては、不起訴の事実と内容は重要です。 事件から2ヶ月経過後に、羅臼の海上保安署に電話して尋ねたら、「処理中=書類送検前」とのこと。 たしかに在宅捜査の場合には、逮捕されて身柄拘束された場合のような捜査期限がありません。法的処分は、ひたすら待つしかありません。 事件から4か月余を過ぎ、年末も近づいたので、再度電話すると、「11月末 頃 に標津区検あてに送致済」との回答でした。(簡裁扱いが相当の軽微な事件は、地検ではなく区検に送致されます。) さっそく標津区検に電話すると、「12/15付で当庁で不起訴処分にした」と。私の住所地管轄の検察庁への移送はせずに、一件落着になっていました。 ただ、呼び出しも罰金も無くて良かった、というわけにはいきません。不起訴処分でも理由次第でその後に違いがありますから、処分内容を知っておく必要があります。 完全無罪なら無傷のキレイな体ですが、微罪で不起訴なら、前科は付かずとも前歴ありになりますから、次回(再犯時)にはその前歴がマイナスに働きます。 不起訴処分告知書 等 の交付を口頭(電話)で願い出ると、「出頭せよ」と返されれました。腹の中では「あほヌカセ!! 定型文書もらいに極寒の釧路まで行けるわけないヤロ」でした。 が、穏やかに「上に郵送を頼んでみてください」とお願いした結果、了解を得て、返信用封筒を送って返信の郵便で届けられたのがコレ。 不起訴処分告知書 不起訴処分理由告知書 予想通りの"起訴猶予"でした。 (刑事訴訟法第248条、事件事務規程第75条2項20号) 被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときに検察官が行う不起訴処分である。 "不起訴処分告知書"は請求があれば交付義務のある文書ですが、"不起訴処分理由告知書"は交付義務はないので、必ずしも交付されるとは限らないよ

浅い海で小魚を釣るには

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上から右回りに   メジナ ホシササノハベラ クロダイ カサゴ 浅い海に大魚が居ない理由はただ一つ、彼らにとって危険だからです。空から襲う鳥たちはカモメ、ウ、サギ類と共にワシ、タカ、トンビ等の猛禽類もいるので、かなりの大魚まで狙われます。 なので、経験値の高い大魚は、餌が豊富であっても昼間に浅場に来ることは先ずありません。深場で過ごします。 これにひきかえ、小魚は深場に行くと大魚の餌食になるので、原則として深場には寄り付けません。 浅い海では空からの鳥に襲われる危険もありますが、小魚は発見されにくいために、よりマシ(安全)な浅場に居るものと考えられます。 ただ、浅いだけに垂直移動で逃げることができませんから、少しでも危険を感じると、ササッと横移動で逃げます。 そして常に警戒を怠らないこれらの小魚は、実は浅い海では釣るのがかなり難しいのです。特に活性の低い寒い季節は。 水深 0~60㎝ の浜名湖湖岸 2022.12.21撮影 潮が濁っていればともかく、浅いと底まで見えてしまうケースが多いはずです。人から小魚が見えやすいということは、魚からも地上の人は丸見えになっています。 ですから、こちらの姿を察知すると、即座に逃げて安全圏に行ってしまいます。仕掛けを投入しただけでも逃げてしまいますから、釣りが難しくなるのは当然です。 とはいえ、彼らも食べなければ生きることも成長することもできませんから、餌は食べたいのです。 さて、どうすれば釣れるのか。特別の裏技的釣法があるわけではありません。 その方法は、 基本に忠実に、高度化 するだけです。 1. 人の姿を見られない  可能な限り離れた位置で喰わせることができるように、長めののべ竿で、泳層に合わせた浮き仕掛けを流して送り込みます。 2. 魚好みの餌を使う  活性が低い時は万能餌であるアミの1尾通し刺し、またはオキアミの小切れが向きます。活性が高ければ、イカや魚の極小切身などでもOKです。 3. 針は小さく 魚種にもよりますが、 鮎エサ2号針 ならたいていの魚種に対応できます。小針で返しがあると外しにくいので、スレ針が向きます。返しがある針を使う場合には、プライヤーなどで潰しておけば同様に使えます。 4. ハリスは細く 細いほど柔軟で見えにくいですが、あまり細いと切れやすいので、 0.6~0.4号 位が使いやすいです。 極小針

釣りの棒ウキを発泡ポリエチレンで自作

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浮きトップに シャイナー グリーン を装着した自作浮き 釣りの棒ウキを自作する場合、その素材は旧来は木材を使いましたが、現在は特殊な場合を除けば樹脂=プラスチックが使われます。 樹脂は化学合成品ですから、その種類は多くあり、目的に応じて選択されます。釣具店で市販されている材料は、主に 棒状の発泡ポリスチレン です。 加工性が良くて適度な強度もあるこの素材は、自作棒浮きへの適性が高いと思います。ただし価格も高いです。そして折れる。これが難点です。 自作というと、こだわりの結果、製作道具や材料に手間とお金をかけ過ぎる傾向がありますが、私は実用派でコスパ重視です。 なので、きわめて安価な発泡ポリエチレン素材を使って、道具も特別のものは使いません。それで、必要十分な機能が得られれば、それもいいでしょう。 こちらのPE発泡素材の特性は、比重が小さい=浮力が大きいことと、軟質で壊れにくいことです。その反面、切削加工がしにくいです。 さて、今回その浮きを作るにあたって、 過去の作り方 から 進化するために、あらためて計算したり、製作方法を変えた部分があります。 発泡ポリエチレンの浮力計算 サンプル(20mm径)を実測します。 物の 体積 は 1×1×3.14×86.5㎝=271㎤ 物の 質量 は 6.0g  物の 比重 は 6.0÷271=0.022 実はこの製品には比重データがあり、安全データシート(SDS)記載の数値では、[ 比重(嵩密度) 0.023 ~ 0.037g/cm3 ]です。2倍近い幅のある公表データって意味あるんでしょうか? なんだか比重から迫るのが適当でない気がしてきたので、20mm径・865mmを実際に(風呂に)錘を付けて浮かべてみたら、沈む直前の錘を測ると、443gでした。 この方が分かり易いですね。鉛の釣り錘1号が3.75gですから、オモリ1号を浮かせるには、 86.5÷(443÷3.75)=0.73㎝ 必要ということになります。 実際には水面上に浮かんで見える部分が浮力を減らすことになるので、浮力には余裕が必要ですから、1号あたり8mm としましょう。 今回作る浮きはオモリ15号負荷を目標とする物なので、浮力だけで考えるなら、12.0㎝になります。そこに水上部分を加えた長さが、全長になります。 今回製作する浮きの主用途は" パン粉コマ

パン粉コマセ投げサビキ釣りの実力

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パン粉投げサビキ釣りin越前漁港 パン粉をコマセにした投げサビキ釣りは、遠投ができて大アジが釣れる、手返しが早い、餌の管理が楽でコストが低い、と利点の多い釣法です。唯一の難点は、専用のコマセカゴと充填器具が市販されていないことです。 私がドライパン粉をコマセにしてアジを釣ろうとしたのは、車中泊の必要からでした。 初めての釣果 を得てから何度かの実釣を経て、想定以上の効果を感じているので、ここでシェアします。 私の地元では投げサビキのアジ釣りができないために、はるばる250kmも走って行く越前漁港は、常時は無理でも、アジの回遊が少なくないので、アジ釣りには恵まれています。 といっても、確実性の高い時間帯は朝マズメの一時間以内という日が多いので、数釣り自慢したい人には向きません。(日中~夕マズメも粘れば回遊のある日もあります) 今回の釣行の長寸マアジ 27㎝ 越前漁港で釣れるマアジの型は、この時は15~20cmがアベレージサイズで、20~30cmが少し混じりました。 さて、今回の結果。いずれも、早朝のマズメ時、正味1~50分の結果です。 2022.10.27 (中潮)   4 尾 出遅れて短時間               .28 (中潮)  12 尾 活かしに手間取り               .29 (中潮)  30 尾 この日以降は本気で数釣り               .30 (中潮)  23 尾 マルアジ1尾混じり               .31 (小潮)  14 尾 タックル事故で時間ロス           11.01 (小潮)   3 尾 回遊2回のみ               .02 (小潮)   1 尾 回遊1回のみ               .03 (長潮)   2 尾 回遊1回のみ 釣れた魚の扱い方次第で数は増減します。数重視の日には、普通にアミコマセを使う他の人とのアタリの出方に、差は無かったです。 大と小を除いた中(20~15㎝)サイズ 2022.10.29 というか、10/29.30両日は、少なくとも両隣のアミコマセ使用の人以上の結果でした。 なぜそうだったかの原因は、手返し重視の結果なのか、 自作サバ皮サビキ が良かったのか、はたまた技量の差なのか。それらの要因の総和の結果なので、パン粉の効果だけを判断するのは困難です。

静かな車泊地/福井県敦賀市

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きらめきみなと館 駐車場 この駐車場は、昼間は" きらめきみなと館 "の利用者が駐車しますが、夜間も開放されている ので、駐車場の利用は可能です。ただし、もちろん自己責任です。 ただの駐車場なので水もトイレも無いものと思っていたら、道を挟んだすぐ北の" 蓬来公園"に  公衆トイレ があって、夜間も不自由なしです。 駐車場から北に見えるオレンジの屋根がトイレ ここを利用したきっかけは、近隣のいつも利用する 金ヶ崎緑地 駐車場 が夜までのイベントの ために騒がしかったので、逃げてきました。 この記事で紹介しているP泊地は、私的な判断で載せていますので、ここで公開するについての責任は一切負いません。閲覧者の自己責任で、情報としてご利用ください。 私の好みは、人が居ないか少ない場所で、集団で騒ぐ無神経な人間が泊まる可能性が少なそうな、マイナーで静かなな場所です。 主に公園や公共施設の駐車場や公有地で好適な場所を選ぶように心がけています。そのような場所は国費が投入されて設置されている場合がほとんどですから、国民の財産でもあります。したがって、明確に車中泊が禁止されておらず、迷惑を掛けずに使用する限りにおいては、使用を妨げられるいわれは無いものと考えます。ただし、一般の駐車スペースはキャンプ場ではないので、1台分の駐車スペースを越えて車外でキャンプ行為をするのは目的外使用にあたるため、使用は控えるべきだと思います。

PEライン高切れの原因と対策

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釣りで使うPEラインは、ナイロン素材のラインより強度が高いために、細い糸で遠投が可能です。ただし弱点もあり、傷に弱く切れやすいことです。 糸切れを防ぐために、フロロやナイロン素材のラインをリーダーとして先端に組み込むことが多いのですが、それは根ズレや魚に触れて切れることに対しては効果があります。 それでも、キャストと同時に高切れしてルアーや仕掛けが回収不能になることもあります。 長時間(期間)使用による摩耗でラインが劣化している場合には交換するのが当然ですが、酷使したわけでもないのに切れた、そんな場合に疑うべきは・・。 ラインブレイクの原因の多くは、ロッドガイドにあります。ガイド形状によるラインの巻き付きも原因になりますが、多くはガイド(リング)のキズに触れることで切れます。 そのキズの原因には色々あります。ラインが高速で放出される際の摩擦でガイドリングが削れることもありますが、スイベルやシンカーなどが当たって傷付くこともあります。 HIBIKI CASTING GAME-DX LIGHT 20-330  2番ガイド  上から HIBIKI CASTING GAME-DX LIGHT 20-330  2番ガイド  下から 内径4mm程のガイドリングにこのような小傷があると、PEラインはあっけなく切れます。実際にこの傷部分にPEラインを触らせて動かしてみたら、あっけなく切れました。 ただ、釣り場で高切れ発生前に小傷に気付くのはほぼ無理でしょう。トラブルが起きて原因を追究して初めて分かることですね。 そもそも、 安竿でPEラインを使うのが間違っている 、という考え方があることは重々分かっています。ガイドがSiCガイド (シリコンカーバイド製リング) ではなくハードガイド (アルミナオキサイド製リング) だから起きるトラブルですから。 でも、ハードガイドの  廉価竿 と比べると、オールSiCガイドのロッドは、5倍以上の価格になるのですから、私のようなプアマンには手が届きません。 こんな場合でも、チープなロッドだから捨てる、なんて短気を起こさずに、生かして使えるように自分で修理ですね。 ロッドガイドのパーツ を取り寄せて直すことにしましょう。 パーツ購入前に、精度の高いノギスでロッド直径を測らないと、パーツ選択ができません。100均のノギスは、コンマ1mmは測れないので

岸壁で魚アラ捨て廃掃法違反事件の顛末記-1/2

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違反対象となったエゾメバル(ヘッドレス前のラウンド) 釣魚の一部を海に捨てると、 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 違反により検挙されることがあるという実話です。 罪を素直に認めても書類送検されて、軽くて" 前歴 "、重ければ" 前科 "が付きます。後者は「5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」が付くことがありますから、ことは重大です。 司法が見過ごせない程のゴミを私が捨てたのだろう、普通の人はそう思うでしょうが、そうではありません。私が実際に海に投棄したのは、ガヤ(エゾメバル)の頭部18g×2= 36g です。 廃掃法違反事件の事実経過 1日目 私は、2022年8月12日の午後、北海道目梨郡羅臼町峰浜漁港において、当日羅臼漁港堤防上で釣り上げたガヤ(エゾメバル)15匹のヘッドレス処理をしていました。 ウロコを落とし終わり、次に頭を落として腹ワタを出す作業に取り掛かった3尾目。その時、4人の若い男たちが後方から駆け寄ってきました。 手にはチープなタモ網を持っていました。海をのぞき込んで「今、魚の頭を捨てましたね!?」。その時すでに頭は沈んだか流されたか、視界の外に消えていました。 「えっ、うっ。はい、捨てました。」「いくつ捨てましたか?」 ここからは既に検挙に向けた取り調べが始まっていたのです。 魚のアラを海に捨てるのが善行とは言えないが、質や量が海の許容範囲かどうかが問題、 というのが、それまでの私の認識でした。が、「廃掃法に量の規定はない」と教えられたので、捨てたことが違反事実であると認めました。 証拠物件の計測準備 証拠を押さえて計測後に押収(任意提出)し、調書を取られる中では「しょっ引くか?」などという不穏当な言葉も、その場のトップの口から出ました。 身柄を持っていかれれば、風呂は無理でも3食タダメシは出るな、と瞬間考えたのも事実ながら、やはりトータル判断では、勘弁願いたいと思いました。脅し文句に私が負けたのかどうか、1日目の取り調べはスムースに終わりました。 翌日も取り調べを保安署で、という約束をさせられてから走り出しましたが、しばらくすると署の車に追い越されて停止を命じられ、現場に戻って追加の調べがありました。 ったく、要領が悪いんだから。聞けば、捜査チームの主任務は巡視船のクルーだそうな。道理で陸の事務仕