自作キャンピングカーの造作と家具製作の内容

車中泊車両をキャラバンNV350で自作 - 15

車は走るのが命ですが、キャンピングカーの場合はそれと同等以上に居住性が大事です。ゆえに使う人の利用スタイルに合った、車内のレイアウトや設備が必要です。

私の自作車はキャラバン4ナンバーのままで、使用目的は普段は一人で(釣り)旅、巨大災害時には二人用の避難シェルターです。使う車はこれ1台だけなので、在宅時には日常に使用します。

車中泊のためにDIYした主な車内設備

車中泊用ベッド

旅の日々の安眠が安全と快適を支えるので、このキャンパー作りでは最重視して、車内のレイアウトの第一番目に決めました。

使う都度の組み立ては面倒でストレスになるので、一台のベッドは常設で、もう一台は 座椅子兼用の物 を、タイヤハウスを避けて床置きにします。

常設ベッドは2分割のスノコを枠が受け、その側板が床、壁、天井に荷重を分散させて、多点支持の総持ちで空中に人を保持します。

特徴は、天井裏のリブに在ったM6ボルト穴からボルトを吊り下げて、ベッド枠を保持していることです。このボルトは、ベッド枠を吊るとともに、転落防止の役も果たし、なおかつカーテンレール固定金具支持します。詳細は 自作キャンピングカーのカーテン製作 に。

ベッドの基本サイズは、設置するマットレス(布団)の、70㎝幅で長さ180㎝ですが、頭側に余裕空間があるので延伸可能です。


収納設備

狭い生活空間に物が散らかるのは好ましくないので、空間を犠牲にしてでも、十分な収納スペースを確保しています。

 ベッド下収納

容積的には、収納全体の中で最大の場所です。ただし、奥行きが約70㎝と深いので、使いやすくはありません。衣装ケースなどのプラスチックの箱物を置いて使います。

 ベッド上収納

ベッド枠と内壁のユーティリティーナットを利用して、空間に作ったもので、ベッド足元の上部空間のわずかな隙間を収納スペースに確保しています。

予備の毛布などを就寝中に容易に取り出すための設備です。空調無しなので、就寝時と朝方との温度差が大きく、プラス1枚必須が常態になります。

 壁付収納

タイヤハウスの上部を作り付け収納棚としています。扉を開くとテーブルになります。棚の1段目の後部奥はインバーターの前部(操作部)が在ったり、電気配線と給水管等が設置されていて、少々複雑です。

車の曲面に合わせるため、棚板1枚ごとに形が異なるので、手間のかかる仕事でした。他の部分同様にすべて ビス止め で接着していないので、改変自在です。

 後部設置棚


車の内壁に造作の間仕切り壁を固定し、そこに棚を付けています。右側は外から出し入れする上部3段は、中からも出し入れできるように扉を付けます。

右奥は給電設備(サブバッテリー、チャージコントローラー、インバーター等々)を壁材(コンパネ)直付けで設置しています。キャラバンに載せるには大きい システム なので、場所をとられます。これらの設備だけでも、約50kgになります。

その左の棚との間の棚受材は取り外し可能なハシゴで、自作ルーフキャリアーとソーラーパネル設備等の点検や修理に使用します。

左側下段は上水用20L定置タンクと運搬用10L移動タンク、釣り用バケツなどの水回り品を置きます。

テーブル

常設のテーブルを置くだけのスペースが取れないので、取り外し可能な 旗丁番 を使った開閉式にしました。2名就寝時と走行時には、立てて 丸棒ラッチ でロックして仕舞います。常設空中ベッドへの昇降階段にもなります。天板サイズは60×66×2.5㎝です。

電子レンジラック


上記の開閉式テーブルを受けるとともに、ほぼ同レベルで電子レンジが載る箱を作り付け、ほぼテーブル上の物に干渉することなく、電子レンジが使えます。

電子レンジは重いので動きにくいですが、一旦動くと厄介ですから、ゴム脚4個に木製の駒を当て付けてビス留めしました。このラックの下には、蓋つきのケースを設置します。

靴箱

玄関機能を担う右スライドドア直近の位置に、タワー型の収納を作り付け、カーテンレールの前側の受けにも利用しています。内部は、下段は靴の収納用ですが、中段は主に扇風機を収納しています。扉を開けて扇風機を使用します。

この収納ボックスは床板と一体にしていますが、高さがあるために揺れ止めが必要で、カーテンレール取付 に使った天井付けM8ボルトとは、自作の鉄板金具で固定しています。

給排水


本格的なシンクではなく、鍋に水を入れたり指先を洗う程度の物です。最後部に置いた20Lタンク内の ポンプ から 逆止弁 を経て、モータ速度スイッチ でON・OFFします。シリコンチューブ の先端が蛇口になります。

着脱可能な角型じょうご(ダイソー)で受ける排水は、飲み残しのお茶程度なので、周囲に気遣いながらですが、ドア下に放出します。


造作、家具類は基本的には無塗装(水に触れる部分は防腐クリア塗装)で調湿性能を優先しています。使う内にシミや汚れが付くでしょうが、それも想定内です。あまり汚くなったら、必要に応じてビニールクロスでも貼ることにします。

この車は、長期の連用を可能とするために収納スペースを多くとった関係で、リビングが貧弱です。見た目重視のキャンピングカービルダー製にはありえないレイアウトと造りです、ね。

コンパネをビスとダボで構築した造作は、衝突事故のような外力が加われば大きな被害を受けるのは想定内ですが、通常使用の荷物を積んだ状態なら、走行中にガタつくことはありません。

そうは言うものの、家庭用冷蔵庫 まで積むのですから、大型トラックや観光バスの運転を見ならって、安全でエコな運転を心がけます。

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