自作NV350キャンピングカー搭載ソーラーシステムの相性問題
車中泊車両をキャラバンNV350で自作 -16
チャージコントローラー/バッテリー/インバーター 3点の相性
ソーラーシステムの構成で使用する機器は、それぞれにスペックがあり、その整合をとるのは当然です。そして、整合を考えて組んだシステムでも尚、相性問題が生じることがあります。
それを避けるには、専門業者が選択して組んだセットを使用すれば大丈夫です。しかし、素人の消費者向けにセット売りしている物は、概して高価です。本音を言うなら、ビックリ価格です。
安上がりにと考えて組んだ私のシステムでは、残念ながら相性問題が起きました。まだ使い始めて日が浅いので、理解不足かもしれませんが、参考にここに記しておきます。
システム構成 25.6Vシステム
ソーラーパネル JKM340M-60H 340W×3直列使用
チャージコントローラー M4860(60A)
バッテリー リン酸鉄リチウムイオンバッテリー24V200AH
インバーター DC24V→AC100V 純正弦波 3000W
トラブルの症状
バッテリーへの充電を制御しているチャージコントローラーの MPPT → BOOST → FLOAT と充電方式が変わっていく過程で、満充電に近付いてバッテリー電圧が高くなった時に、バッテリーとインバーターに向けて、瞬間的に30Vを超える電圧の電気が流れるようで、インバーターに入力過電圧エラーが発生します。毎回ではありません、時折。
インバーターは過電圧を回避する機能により、自動的に一旦遮断した後に復帰することを繰り返します。これが、その時に使用中の電気製品に悪影響があるのではないかと危惧します。
車内で高頻度でONになっている電気製品は、LED照明器具と冷凍冷蔵庫ですが、コンプレッサーのモーターが回転する冷蔵庫が不安の種です。
販売店経由でメーカー宛に問合せをしました。
・・・ここから・・・
質問-1
購入済み商品の使用にあたっての質問です。
(お手数ですが、メーカーへの確認に基づいてご回答ください。)
AR-BC97-NW を通常の商用電源ではなく、ソーラーオフグリッド(純正弦波AC107V)で運転しています。
冷蔵庫稼働中(コンプレッサー運転中)に給電元のインバーターの高電圧抑制が働いて、給電停止と再開を数秒単位で自動で頻繁に繰り返すことがあります。
この状態が冷却器全体に与えると考えられる、マイナスの影響が有り得るなら、その内容についてご教示ください。
製品保証という観点ではなく、あくまで技術的視点での質問です。
ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
回答-1
お世話になっております。
A&R株式会社でございます。
この度は、
【アレジア 小型冷蔵冷凍庫 97L 2ドア 一人暮らし 単身 AR-BC97-NW ALLEGiA】
をご購入いただき誠にありがとうございます。
お問合せいただきました件につきまして、ご連絡でございます。
本製品を商用電源ではなく、ソーラーオフグリッドでご使用いただいており、
冷蔵庫稼働中(コンプレッサー運転中)に給電元のインバーターの高電圧抑制が働いて、給電停止と再開を数秒単位で自動で繰り返すことがあるとの事でございますが、
ご質問いただきました、製品への影響といたしましては、
給電停止に伴い、庫内の温度が上昇し、
温度を下げる為にコンプレッサーが過剰に稼働してしまう可能性がございます。
コンプレッサーの過剰な稼働に伴い、製品本体の動作音が大きくなる、早期の製品不具合等の可能性が考えられるかと存じます。
しかしながら、給電停止から再開まで数秒単位との事、また実際に弊社にてソーラーオフグリッドで使用した際のデータが無い事から、
あくまでも想定される内容として回答させていただきました。
質問-2
さっそくの回答、ありがとうございました。
質問の中心点は、「普通はあまり無いはずの、数秒単位の給電ON・OFFが作動中のコンプレッサーに過大な負荷等の悪影響が生じるのかどうか」ということです。冷蔵庫メーカーであれば、コンプレッサーや制御基板への影響について熟知されていると考えられますが、貴社技術陣には回答不能でしょうか?
> 給電停止に伴い、庫内の温度が上昇し、温度を下げる為にコンプレッサーが過剰に稼働してしまう可能性がございます。コンプレッサーの過剰な稼働に伴い、製品本体の動作音が大きくなる、早期の製品不具合等の可能性が考えられるかと存じます。
失礼ながら、この程度のことなら素人の私でも言えます。専門技術者の知見に基づくご回答をいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
回答-2
お世話になっております。
A&R株式会社でございます。
この度は、
【アレジア 小型冷蔵冷凍庫 97L 2ドア 一人暮らし 単身 AR-BC97-NW ALLEGiA】
をご購入いただき誠にありがとうございます。
お問合せいただきました件につきまして、
工場の技術チームへ確認を行わせていただきました。
本製品はノンインバーター式の冷蔵庫の為、
圧縮機が一定の速度で回って、庫内の温度を下げます。
庫内温度が設定した温度になりますと、圧縮機が停止し、
庫内温度が上昇いたしますと、圧縮機が起動し、先程の動作を繰り返します。
圧縮機が起動する際に少し負担がかかりますが、
今回お問合せいただきました、数秒単位の給電ON・OFFであれば、製品の構造上、そこまで大きな影響は無いとの回答でございました。
上記内容にてご不明な点等ございましたら、
お手数ではございますが、再度ご連絡をいただけますと幸いでございます。
何卒宜しくお願い申し上げます。
・・・ここまで・・・
回答から読み取れることは、「インバーター制御じゃないから、あまり気にしなくても良いですよ。」ってことのようです。
頻繁に起動すると、その度に起動電流を無駄に消費するとは思いますが、直ちには機械の故障にまで発展しないようなので、この心配は忘れることにします。
現状の過電圧エラーは、晴れて満充電に近くなって起こりますが、再現性が乏しく、追及が難しくて困ります。システム機器単体の故障ではないようですし。
現在までは、トラブル発生時にはソーラーパネルとチャージコントローラーの間に入れたブレーカーを手動でOFFにして凌いでいましたが、放置しての様子見も試してみます。
まぁ、自分の経験の積み重ねとスキルアップによっても、その内に何らかの気付きがあるでしょうし。
これについては、実は バッテリーモニター が実態を正しく示さないために、状況把握がままならないことも、事をややこしくしています。
今までのところ、使っている電気器具(家庭用冷蔵庫、電子レンジ、IHクッキングヒーター、ホッとサンドイッチメーカー、照明器具等のAC100v機器、その他12V機器etc.)で動かない物は無いので、十分に使えている車載オフグリッドソーラーシステムですが、今一つスッキリしないです。
本記事の趣旨は、私の システムの構想 を参考にされると、この程度の不具合が生じる可能性はあります、という注意喚起です。悪しからず。状況変化に応じて、記事は追加します。
冷蔵庫メーカーとのやり取りの載録は、チャットのメッセージに「公開お断り」の記載が無かったので、許可を得ることなく掲載しました。
冷蔵庫 自体は極めて良く冷えて、満足しています。2022に始まったインフレ前の安価で購入した最後だったようで、購入後3か月で4000円値上がりしています。惜しむらくは、天板からの冷気逃げが激しく、断熱を追加しても、その間で結露します。
追記 2024.02.03
上記の充電トラブル(インバーターに入力過電圧エラー)を回避するために、当初からチャーコンの出力(Boost充電電圧)を27.8(13.9×2)vで設定して、運転してきました。その後1年半にわたり特段の不具合なく使用できています。満充電電圧(バッテリー静置安定電圧)26.6(13.3×2)vがいくらか不足のようにも感じますが、それについては追及できていません。まぁ、こんな物か、と思っています。冬眠中の現在感じるのは、バッテリーへの充電を止めて観察していると、自己放電が大きいように見えます。低温下のせいでしょうか。
追記 2024.08.14
前記エラーが発生しなくなったので、チャーコンの出力(Boost充電電圧)を28.4(14.2×2)vに上げて運転していたところ、インバーターが過電圧をビープ音で知らせるようになったので、 インバーターに熱暴走対策 をするのと同時に、28.0(14.0×2)vに下げたところ、"過電圧の給電停止と自動復帰"は起こらなくなりました。
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