釣りの飛ばしウキ(木製)を自作/塗装編

仕掛けを少し遠いポイントに投入し、浮かせておく際には"飛ばしウキ"を使います。市販品 はほぼ全てが樹脂製で高価な物が多く、安価に使用するには木球から自作することになります。

その木材の比重は、浮きに使われる広葉樹材では0.7前後の物が多く、「浮力が小さいので沈み抵抗が小さく」かつ「適度に重いので飛距離が稼げる」という、飛ばしウキとしては理想的な素材です。吸水する難点を除けばですが、表面塗装するので、事実上問題ありません。

球作りはパスするので、ここでの木球ウキの製作工程は"穴開け"と"塗装"です。穴開けについては過去の記事で説明しているので 釣り用木球浮きの作り方(穴あけ方法) をご覧ください。今回は"塗装"です。

木球浮き-塗装後 穴径=1.5mm
釣りの浮きは浮くこととともに視認性が命なので、その塗装次第で価値が決まります。特にアタリ浮きを兼ねる球径が小さな物への塗装は、塗料選定とともに工程の工夫が必要です。

プロの塗装は設備が整った環境で行われるはずですが、素人のDIYでは、工夫がすべてと言っても過言ではなく、製作物の数量に応じて都度考案します。

今回は、3種各5個、計15個の小径の木製中通し玉ウキに塗装します。白色 で下塗り、蛍光レッド で本塗り、クリア で上塗りの3回塗りとします。実釣の一回目でロストするなら上塗りは無駄になりますが、結果論です。

下塗り・本塗り・上塗り
大球なら手塗りも有り得ますが、今回のような小球はスプレーが向きます。

今回の製作品は小球なので、実釣時の浮き位置調整を 浮き止めゴム(2.4mm径オーバル型)のみで行います。そのため、中通しの穴径(1.5mm径)よりわずかに太い釘(1.6mm径)に載せて塗装します。

下塗り‐白色
段ボールに釘を挿し、裏側にもう1枚重ねて2重にし、テープ止めして密着させることで釘の傾きを防ぎます。

本塗-蛍光レッド
塗料を4方向斜め上から吹付けて、乾燥後に上下反転させて同様に吹き付けます。3種×上・下で、計6回塗ることになります。少し面倒に感じますが、時間にすると各回それぞれはあっという間に終わります。

上塗り-クリア
・下塗りは 白色 でないと蛍光の効果が薄れて、くすんだ色調になります。
・塗装のポイントは厚く塗らないことと、よく乾いてから次を塗ることです。
・蛍光塗料は厚塗りしても見え方は変わりません。塗膜強化の意味なら、安価な上塗りで。
・マズメの薄明時はイエロー系が見やすいですが、それは短時間なので、どちらか一色ならレッド系が無難です。

長持ちさせるために丁寧に作るなら、吸水防止のために、表面塗装の前に中通しの穴の中にも シリマー で塗料を通します。粘度の低い 水性シーラー 等が適当です。

穴に塗料を通した後
中通しのラインがナイロンやフロロの場合には無塗装でも問題ありませんが、PEの場合(特に×8)の場合には、ライン保護のために上記の穴中塗装か、樹脂パイプ挿入設置が望ましいです。

ついでですが、PEラインの場合にはゴムの浮き止めが効きにくいので、棚ボケなし の浮き止め方法 をお勧めします。

今回の小径木球ウキは、見えチヌの浮き流し釣り用に作りました。飛ばしウキの機能を持たせ、浮力と視認性を必要最小限とする大きさ(直径)として、異径の3種を作りました。

 16mm (1.33g→塗装後1.4g) 実寸は15mm
 18mm (2.08g→塗装後2.3g) 実寸は19mm
 20mm (2.34g→塗装後2.5g)

素材の木球は安価(10~20円/個)な中国 TEMU 直送品なので仕方ありませんが、精度が悪いです。国産品には無いので、文句を言えません。

今回の製作コストは、塗料も多くは使っていないので、出来上がりで30~40円/個くらいのように思います。それよりなにより、このような小径(軽量)の飛ばしウキは市販品には見当たりませんから、作るしかありません。

従前30mm径以上の木球ウキを他の釣りで使用してきましたが、今回 クロダイ退治 に使うために、食い込み時の抵抗軽減を企図して小径の物を加えました。さて、結果や如何に。

参考-1 大径の木球ウキの浮力を殺すには、下穴を開けてから トラスタッピング をねじ込むと簡単です。ネジ本数と位置に留意のこと。

参考-2 ただ飛ばすだけなら、安価な スーパーボール が好適です。穴開けと穴の維持に難ありで、塗装も不可ですが、浮力が極小なので、竿先でアタリを取るのならOKです。飛びます!

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