プロマリン アオリライフ AL3000 はお勧めできるか
魚類の釣りなら、走られても竿でためることで引きに耐えることができますが、アオリイカの一走りは竿の長さを超える距離になることも少なくありません。そして、イカが活き餌を触腕で掴んでいるだけの時点では、抵抗が大きいと離してしまいます。
なので、竿でためるのではなく、ドラグを緩めて自然に止まるまで自由に走らせる必要があります。その後タイミングを計って、ドラグを少し締めて引いては出るを繰り返しながら、少しずつ寄せてきます。
最後のネットインのランディング操作の際にも、ドラグが働いている必要があるので、しばしば締める緩めるの調整をします。それがフロントドラグでは、調整がやりにくいのです。
それゆえに、長時間の釣りではこの操作がストレスになるだけでなく、操作が遅れて、バラシの原因にもなり得るので、リヤドラグが向くのです。
という前置きが無用なベテランの人や¥に余裕のある人には向かないリールかもしれませんが、専用モノとしてはリーズナブルな物なので、試しに買ってみました。
アマゾンから届いた紙袋1枚だけのパッケージの中の、口を閉じてもいない埃っぽいビニール袋を持ち上げると、ゴロンと落ちました。ぶつけて軸が曲がっていたりすると使えなくて返品なので、慎重にチェックしてみましたが、異常は無し。
リールに関しては、私は同じ物を同時に2台買うことが多いです。少し前の シエナ の際も。その理由は、比較により異常に気づけるように。そして部品取りしての延命です。
このAL3000でも比較しましたが、2台の相違は感じませんでした。使用前にグリスの注油を兼ねて触って気付いたことを、以下に記します。
AL3000 使用前の感想
1. ボールベアリングが 1 ということは、主軸のみなんでしょうね。ハンドルを強く回しても3回転ほどで止まってしまいます。
2. リアドラグは、約3回転が可動範囲。1回転でフリーに。実釣でのやり取りは半回転程度の範囲内で済むように感じました。
3. フロントでプッシュ式脱着のスプールのぐらつきが大きいのですが、このタイプはこんなものなんでしょうか? リアドラグの締め付けには関係ないので、強いテンションが掛かった時にスプールが傾くので耐えられるのでしょうかね。まっ、アオリ専用なので、良いのかな。樹脂製ではなくアルミ製が救いです。
4. ドラグ音が小さくて聴き取りずらいです。
5. ハンドルをキチンと締めてもガタつきが大きいです。不安。
6. アルミスプールの外側面にバリは無いので、PE糸も使えそうです。
7. ラインローラーは初期なのでスムースに回りましたが、ここと主軸にグリスを入れておきました。
8. ハンドルが折りたためるのは良いです。ただしガタツキはあります。
9. 中国企画のリールで以前に懲りた、錆が出るのか否かは使ってみないと分かりません。もちろん使用ごとに真水洗いはしますが。
総じて、チープ。基本が置き竿の釣りなので、使えなくはないのでしょうが、、。リアドラグという機能一点の価値が2000円余にあるのかどうか。使えば分かるでしょうが、結果が出てからでは事前の感想が不正確になるので、とりあえず公開しておきます。
近々にも使用する予定なので、使用後の感想と結果は以下に追記でアップします。
追記 2024.10.16
注文してあった PEライン が届いたので、さっそく巻きました。 リールには付属でNYライン3号(0.285mm径)が150m(のはず)巻かれていたので、PE1.5号(0.20径)なら、下巻きが必要になるかと準備していましたが、なんと100m巻くのも無理矢理でした。原因の一つは、修正不能の逆テーパーになること。もう一つの原因は、ラインが公表スペックより太いようだから、です。計測しにくいPEラインなので、アバウトですが0.29mm径程度のようです。品質は、張りがあって好ましいのですが、巻いた100mで足りるのかどうか不安があります。まぁ、青物じゃないので、何十メートルも走ることは無いし、、と正常性バイアスをかけて、良しとしました。ちなみにPEラインを使う理由は、たるんで沈んで根(海草)に絡むのが嫌なので、ラインを浮かせたいからです。アジの活き餌なら沈めたいのでしょうが、私の場合には、活き餌が 雑魚 なので、少し違います。
追記 2024.10.29
AL3000 使用後の感想
総評としては、使えます。2000円そこそこの価格ですから、贅沢は一切無理として。
1. 錆びは、使用後の真水洗いを励行すれば、出ません。
2. ドラグ調整は、ぎこちないけれども、リアで回転数少なくてでき、滑りもスムースなので、機能的には合格です。フロントドラグとは操作性で天地の違いです。
3. ドラグ滑り時のクリック音は、難ありです。一旦緩めると音が出ないことがあり、少し戻す(締める)と音が出る、その音の大きさも停止位置により変わる、という何とも微妙な状態です。2台の比較でも、音の違いがありました。そんなに難しい機能なんでしょうかね。
4. ラインローラーが前述の太目のPEラインを噛むことがありました。過去いろいろなリールを使ってきましたが、初めての経験でしたから、NGですね。隙間の精度が低いんでしょうか。
5. 凧揚げ(活き餌がカモメにさらわれる)で超特急のライン放出でも壊れることは無かったです。
6. 快適な使用感とは言えませんが、耐久性(未確認)があるなら、まんざら避けるべきリールとは思いません。このリールと 磯竿 があれば、とりあえずヤエン釣りは成立します。
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2024.10.23 02:47 撮影 in 福井県・越前漁港 |
40年以上前のNFTのチヌ竿3.1mとこのリール、アオリライフ AL3000で揚げたアオリイカです。
追記 2024.11.18
単なる偶発的な出来事なのかもしれないので、淡々と事実を記します。直近 11月の釣行 でAL3000を2台同時に使用していた時のこと。その内の1台の仕掛け回収のためにハンドルを回していたら、いつまでたっても仕掛けが戻って来ず、ふとリールを見ると。なんと、ラインローラーの固定ボルトが脱落していました。長年リールを触っていますが、初めての経験です。地面を土下座するように這いまわって探しましたが、ボルトとラインローラーは見つからず。帰宅してから調べると、購入後30日(Amazon)をわずかに経過していたので、交換、返品、返金は一切不能。後はプロマリンに部品送付を依頼するしかないのでしょうが、それが可能だとしても、部品代+送料で1000円は下らないでしょう。新しい物とはいえ、安リールにそこまでして延命させる価値は無いと判断して、部品取り用に回すことにしました。贅沢を望む身分ではありませんが、次はやはり安くても シマノかダイワ の物を買うことになるのでしょうか。それとも、意外にも評価の良い プロマリン アオリマスター にするのか、悩ましい問題です。
追記 2024.12.24
その後、プロマリン アオリマスターを2個買ってみましたが、別記事 にも書いたように前後別々に機能するドラグに戸惑いながら、アオリイカのヤエン釣りではなく、クロダイのブッコミ釣りに使うことにしました。その結果、ヤエン用のリールが足りないので、アオリライフ AL3000を1個また買ってしまいました。安さには勝てない貧乏人の性です。
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