釣りの活き餌(小魚)をエアーポンプで生かせる時間

泳がせ釣りで使う活き餌は、釣り場では 活かしバケツ で海(川)に降ろす(置く)のが推奨されるので、ここではあくまで運ぶ間の利用を想定します。この際の限界時間は、水の容積と温度に大きく左右されます。特定の条件下ですが、携帯型のエアーポンプを使用して実験し、目安になる限界を探ってみます。

運ぶ間を想定するので、実験中に水の交換はしません。空気を吹き込むことで酸素補給はしますが、排泄物等による水質汚濁には対処しないので、後者の影響で生存期間が決まるものと推察します。

エアーレーションの結果、水量が減少するので塩分濃度上昇が起こりますが、微量と考えて無視します。

ちなみに、ハゼ類は総じて「酸素要求度は低く」「高い汚濁耐性」をもつと言われていますので、アジ等の他魚種ではより短時間しか生かせない可能性があるので、この記事を参考にされる場合には、ご注意ください。

マハゼ溜水飼養実験の概要

マハゼ飼養実験_開始時
開始・終了日時
 2026.08.20 11:30 ~ 2026.08.23 06:30
環境
 気温 最高=30℃ 最低=25℃ 日陰
 水温 開始時31℃から 以降は気温に追随
使用機材
 海水/容器 浜名湖内海水5L/10L角バケツ
対象魚
 マハゼ  10尾80g
 (釣り上げ時に口唇以外への接触皆無の個体)

活き餌の海中飼養 in 浜名湖
釣り上げてから実験開始までの間は、海面下で 生かしバッカン に保存しました。

マハゼ溜水飼養実験の結果

海から汲んだ溜水をエアーレーションする中でマハゼを生かし、2尾が回復限界を感じさせる時点までの時間を観察しました。

回復限界とは、その時点までなら、自然界の天然海水に戻すと蘇生して元通りに回復できる限界を指します。ここでは、過去の経験的知見から判断しています。

マハゼ飼養実験_終了時
回復限界到達判断時間 開始後  67時間 経過時点
 この時点で、1尾(Lサイズ)が死亡し、1尾(Sサイズ)が不随意運動していました。

マハゼ溜水飼養実験の結論と感想

マハゼは底性魚ゆえに「活動量が低い」ことに加えて、「酸素要求度が低く」「汚濁耐性が高い」という特性が影響しているものと受け止めます。

魚はエアーポンプ無しでは短時間しか生存できない(経験知)ことから考えると、思いのほか長時間生きたと言えます。

個人の釣りエサ魚の輸送としては、今回の実験環境は高温下ではあるものの、魚の収容量(g/L)としてはシビアコンディションとまでは言えない、現実に則した事例の範囲内でしょう。

今回の実験で得られた67時間では、既に死に始めていたので、全てが健全な時間を安全率も考慮して推定すると、48時間程度と考えられます。

魚の重量と生存時間の関係を数値化するには、水1リットルあたりの 魚g×時間 という単位が指標になるように思います。

つまり、日平均温度28℃の時、5Lの溜水中でハゼが健全性を維持できるのは、80g×48時間 = 3840g時間 となり、これを1L当たりに換算すると 768g時間/L が実験結果から導き出される、ハゼの飼養時間の目安となります。

これから推計すると、同じ温度下・5Lでは、20g×10尾=200g時間 のマハゼなら
 768/200×5(L) = 19.2時間 生きられる

と考えても大きくは外れないのかもしれません。ただし、ここで得られた768g時間/Lの数値を、他の魚種に援用する際には、汚濁耐性や酸素要求度の違い等に留意して低めに想定するのが妥当と考えられます。

実釣では、収容魚種と量、水量、水温など各種条件がその都度変わる可能性が高いので、一つのモデル数値を持つことで、それから類推できると便利でしょう。

補足

魚を飼養する場合に、酸素はエアーレーションで補えるとしても、魚の代謝産物(糞→アンモニアや亜硝酸)による水質汚濁は解消できません

実験中にも、時間経過とともに目に見えて濁りが強くなりました。これが水替え無しでの生存期限を早める主な原因となっているようす。加えて運搬時には密飼いのような状況になりがちなので、スレや壁面衝突による傷も避けられず、ストレスも大きいと考えられます。

最後に

正直言うと、エアーポンプでこんなに長時間生かせるとは思っていませんでした。従前は、酸素無補給 で餌の小魚を運んでいたのですが、5vUSB給電なら車内でも長時間安心して使えます。

これにより日帰りだけでなく、旅釣りへの帯同も可能になります。ただし、今回のような小さな魚体では餌の価値(訴求力)としては問題なくとも、別の問題として針掛けに難ありです。大針を刺すと、すぐに死んでしまうので 特殊な針掛け が必要になります。

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