ショアの根魚大物を"泳がせ探り釣り"で釣る
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| 活き餌のネンブツダイ || 血抜き中のオオモンハタ |
ロックフィッシュ大物を狙う 釣り方
泳がせ釣りと探り釣りの融合
0. 活餌用小魚を釣って活かしておきます。
1. 活餌小魚の背に針を掛けます。
2. 仕掛けを、足元~チョイ投げの範囲に投入します。
3. 錘が着底したらラインが張るまで巻き上げます。30秒待って1回転、その後は5秒ごとに1回転巻き上げ、底から1/3の水深まで巻き上げたら回収して、潮の濁りに応じて横に3(濁り潮)m~5(澄み潮)mほど移動して、2. から再開します。
4. コツコツのアタリに続くグゥーッの引き込みがあったら大アワセして、そのままゴリ巻きを始めます。抵抗が大きくて巻きにくい時には横(または後)に移動しながらラインを引き続けるのが有効です。とにかく対象魚に反転の隙を与えずに寄せます。
5. 貼り着かれたり、潜られて巻けない時には、ラインを緩めてしばらく(10秒~5分)間をおいてから、大アワセしてみます。動き始めたらリカバリー成功。ゴリ巻き再開です。
6. ランディングの際に、抜けるか、タモ入れかは、サイズ次第で選択します。
※キャッチ後は、あばれる魚の頭周辺や鰭の棘での怪我にご用心。
※1. 背掛けは 出血無し ではないので弱りやすい針掛け法ですが、呑ませた後に針がかりし易いことと、短時間で襲われることが多いので、この方法が適します。
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| ネンブツダイ餌でアカハタ釣り by 泳がせ探り釣り |
ロックフィッシュ大物を狙う 餌
根魚は、サーフなどと違う生物相が豊かな海況に居るので、多様な餌を摂っています。ただし、仔魚、幼魚時代と違い、成魚になると魚食が中心になると言われています。
なので、常食しているその場に居る小魚、特に活魚が最良の餌になることは、自明です。泳がせ釣りの活き餌の小魚はアジかイワシが定説になっているようですが、そんな選り好みして生きていけるほど、自然界は楽ではありません。食べられない=死 なのですから。
人知れず捕食特性があって、嫌われる(避けられる)こともあるのかもしれませんが、基本はその場に居る小魚で毒魚でなければ、サイズさえ合えば種類を問わず餌になり得ます。
ここで挙げる餌の例はネンブツダイ(Sサイズ)です。これの活き餌としての利点は、いくつかあります。
・見た目に比して軽量なので、活かしておく際の酸素要求量が少ない。
・体高が小さく、長くもないので、ターゲット魚の口に入りやすい。
・飼養中の無用な動きが少なく、スレによる損耗が少ない。
・釣り易い ので入手が容易。
・活き餌のコストが、ほぼゼロ円。
ターゲット魚のフィッシュイーターは活餌小魚をひと呑みにすることが多く、事前に体高や全長を目測しているようで、大きすぎると襲いません。その点が、フグ、カワハギ、イカなどのカジル系と違います。
切身餌と違って活き餌使用の場合には、ターゲットが居れば、寄れば、ほぼ間違いなく喰いにきます。ポイントに送り込んで動いていればOKなので、活き餌の扱いにていねいさは不要です。
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| ネンブツダイ餌でオオモンハタ釣り by 泳がせ探り釣り |
ロックフィッシュ大物を狙う 仕掛け
ロックフィッシュの大物は、なんとなくの構えでは、掛けても根に入られて獲れない確率が高いのが難点です。砂泥底なら ブッコミ釣りで獲れる サイズの魚でも根周り(岩礁帯)では揚げにくいです。
置き竿で竿先の変化を見てから竿を持ったのでは間に合わないことが多いので、基本は手持ちの探り釣りです。本アタリ即アワセで、ラインを出さないゴリ巻きが原則です。
イメージ的には、針を掛けられた活きた小魚が、錘元のスナップスイベルを中心にしてヨロヨロ泳ぎ、泳ぎを止めるとユラユラ沈む。そんな想定に見合い、根掛りを回避できる仕掛けが必要です。
ラインとハリスの一直線上に中通し錘やブラクリを配置する仕掛けが、扱いやすいのでお勧めしたいところですが、その仕掛けでは錘を根掛りで失うときには、その先の ハリス+針+餌 までも同時に失うので、損失が大きいうえにリカバリーにも手間が掛かり、ロスタイムが増えます。
そのため、ここでは ハリス+針+餌 と 捨て糸+錘 を 三又サルカン で並列に配置し、それぞれ単独で交換可能な仕掛けを推奨します。2系統の絡みも多少ありますが、それを上回る利点は、使えば分かります。
ハリス
ピンクフロロライン4号 強くて見えにくいのでオススメ
針
捨て糸
ナイロン3号 リユース品で十分
錘
5号 or 0.5号
・ターゲットが海底付近に限られるときは、錘を5号程度の重めにして沈降の時短を優先し、フォール中の中層も狙うなら、錘を0.5号程度に軽くしてゆっくり沈めて探るのが効果的です。
・ラインとハリスは、常に傷の有無と程度に注意する必要があります。その強度設定は、ターゲット次第で強く(太く)する必要がありますが、必要以上に強くすると、根掛りした際に切れずに苦労しますから、強すぎもNGです。
上のタックルはあくまで例示です。釣り場や対象に応じてアレンジするのは当然です。一つだけ補足するなら、根掛りの際にどこで切るかを意図して組むことです。
基本は、メインライン>ハリス>捨て糸 です。
ロックフィッシュ大物を狙う タックル
竿
長く柔らかい竿は不可です。そしてロッドアクションは無用なので、強引さが通用する短く硬い竿が向きます。M~MHクラスの8ft.程度の ジギングロッド や錘負荷30号以上の 船竿 (ボートロッド)を使えば根に潜られることが少ないでしょう。
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| 1.8mボートロッド(30号負荷)とスピニングリールで釣ったヤミハタ |
リール
ゴリ巻きして傷めても惜しくない、3000番程度のドラグ付きの物が向きます。使い勝手の良いのは 両軸リール ですが、使い慣れたスピニングリールでも十分可能です。
ライン
ナイロンなら5~6号程度、PEなら安価な中華X4の1.5~3号程度で十分です。伸び率が30%程度にもなるナイロンやフロロよりPEの方が向きますが、その場合には錘の捨て糸を1m程入れて、そこで根ズレを受けるものとします。
ロックフィッシュ大物を狙う 釣り場
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| ネンブツダイ餌でハタ釣り by 泳がせ探り釣り |
ロックフィッシュは回遊魚と違い、基本が狭いエリアに居付く魚ですから、釣獲圧力が掛かって釣り尽くしてしまえば、容易に回復しません。
そのことを思い、釣り場を荒らさない気遣いが必要です。と言っても人口過密のこの国では、キャパを超える釣獲圧力が掛かっている場所が多いので、チビカサゴまで持ち帰られる釣り場は、終わっています。首都圏や都市の近郊でロックフィッシュを狙うのは至難ではなくほぼ無理です。
このことの原因をたどると、過去現在の水産資源維持政策にまで行きつくはずです。プロの漁師ですら長年、獲ったモン勝ちをやってきたので、遊漁に口出しなどできるはずがないと考えるのが妥当でしよう。最近になって変わり始めの入り口に少し近づきつつある、ようですが。
今回の記事の例示釣り場は愛媛県の南予ですが、そこでは2025年晩秋の時期、(一)にアオリイカエギング、(二)に青物ジギング、(三)(四)が無くて(五)に太刀魚テンヤ、という遊漁状況で、ロックフィッシュを専門に狙うアングラーは見かけませんでした。
私は、(一)はターゲットが小さく少ないのでスルー。(二)は体力不安でパス。(五)はチャレンジするも不発。という釣果ゼロ地獄の中で、この"泳がせ探り釣り"を思いつきました。
それは(一)(五)のために畜養しておいたハリメ(ネンブツダイ)活き餌の用途から考え出した、シーズ思考的な釣法だったのです。悪く言えば苦肉の策です。
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| バッカン in 角バケツ |
終わりの独り言
昨今の風潮で、安直にユーチューブ他のネット情報に頼るアングラーが増えていますが、釣りの基本を体系的に学び、地図を読むなどして、趣味と誇れる自分流の釣りを考えて作りたいものです。
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