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シマアジの味/愛媛県の魚

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養殖漁業が盛んな愛媛県・愛南町のスーパーには、丸物や刺身のサクが毎日のように並んでいるのです。目を疑いました。価格も他のハマチ、カンパチ、日戻りカツオ等の刺身用のサクとは、大差ありません。 でも、私が買ったのはアラです。上身(じょうみ)よりコスパの高い方を選びます。 潮汁 シマアジ_潮汁 いつも通りに、初めての際は、食塩と料理酒を基本で調味します。昆布が無いので味の素で代用するのが、シマアジさんに失礼かな。せめてもの、針生姜の天盛です。 表面に浮いた脂(EPA DHA)が、過ぎない程度にたっぷり。見るからに旨そうです。で、一口すすると、ウマイ!! グルソーでここまで旨いのだから、昆布を使ったら、旨さをなんと表現するか悩むでしょう。 身の方は、美味な順に、腹骨内外のバラ肉、血合い肉、胸鰭元の筋肉、でした。中落部分は上身と同じ味なのですが、んーイマイチ、でした。 やっぱり、アラを買って正解でした。旨いうえにDHA、EPAがたっぷり摂れて、満足。 潮汁にはパック1尾分の半分しか使わなかったので、翌日味噌汁にしましたが、味噌との相乗効果で、一層旨かったです。1回分(一人前)55円はお得。やはり魚は、産地に限ります。

ショアの根魚大物を"泳がせ探り釣り"で釣る

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活き餌のネンブツダイ || 血抜き中のオオモンハタ   カサゴ、アイナメ、ハタ、ソイ等のロックフィッシュ(根魚)の中でも、大物を狙うには餌の選定や釣り方等に工夫が必要です。身エサやオキアミ、小ガニ等を餌にすると小型の釣れる比率が高くなります。より大きな魚を釣るには、活きた小魚を餌にする泳がせ釣りが面倒でも近道なので、その釣り方をここで紹介します。 ロックフィッシュ大物を狙う 釣り方 泳がせ釣り と 探り釣り の 融合 0. 活餌用小魚を釣って活かしておきます。 1. 活餌小魚の背に針を掛けます。 2. 仕掛けを、足元~チョイ投げの範囲に投入します。 3. 錘が着底したらラインが張るまで巻き上げます。30秒待って1回転、その後は5秒ごとに1回転巻き上げ、底から1/3の水深まで巻き上げたら回収して、潮の濁りに応じて横に3 (濁り潮) m~5 (澄み潮) mほど移動して、 2.  から再開します。 4. コツコツのアタリに続く グゥーッの引き込みがあったら大アワセ して、そのまま ゴリ巻き を始めます。抵抗が大きくて巻きにくい時には横( または 後)に移動しながらラインを引き続けるのが有効です。とにかく対象魚に反転の隙を与えずに寄せます。 5. 貼り着かれたり、潜られて巻けない時には、ラインを緩めてしばらく(10秒~5分)間をおいてから、大アワセしてみます。動き始めたらリカバリー成功。ゴリ巻き再開です。 6. ランディングの際に、抜けるか、タモ入れかは、サイズ次第で選択します。  ※キャッチ後は、あばれる魚の頭周辺や鰭の棘での怪我にご用心。 ※ 1.  背掛けは  出血無し ではないので弱りやすい針掛け法ですが、短時間で口中に吸い込まれ、直後の針掛かりもし易いので、この方法が適します。ただし、アタリが間遠で活餌魚を長持ちさせたい場合には、ネンブツダイなら  下あご掛け が向きます。 ※ 2. 遠くに投げる程、根掛り確率は飛躍的に上がります。錘の消耗の激しい釣り場では、 小石錘  や 釘錘 がおススメです。 ネンブツダイ餌でアカハタ釣り by 泳がせ探り釣り ロックフィッシュ大物を狙う 餌 根魚は、サーフなどと違う生物相が豊かな海況に居るので、多様な餌を摂っています。ただし、仔魚、幼魚時代と違い、成魚にな...

スマの味/高知県の魚

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スマ刺身用(片身) カツオ類の中で"最も美味"の座を、ハガツオと争うスマ。よわい前期高齢者最後の年に初めて食べました。 愛媛県の南予のスーパーで午前早々の時間に見かけた高知県産のスマです。車で1時間かからない宿毛あたりから来たものと推察するので、前日漁獲の物でしょう。 食べ始めてから、?と気になって調べたら、やはりスマは血合いも一緒に食べられるという情報がありました。 鮮度が悪いとヒスタミン中毒の元になる青背の魚の血合いですが、私は自分で釣ったマルソーダでも、きっちり迅速処理、低温管理したうえですが、血合いまで食べます。 このスマは皮がスルリと引ける程度には脂もあり、不味いはずはないと口に運びました。 刺身 スマ_平造り 未だモチモチ感のある身質に文句は無く、味も上品で目をつぶって食べるとナニ鮪ですか、となりそうです。強過ぎず、物足りなくもない適度な旨味なので、誰からも好まれること請け合いです。 カツオが、板の間で車座になって焼酎片手に食べる味なら、スマは、同じ板の間でも、家長の箱膳に載った御馳走、でしようか。 (差別的内容は表現のあやなのでご容赦ください) とにかく、んまいです。片身を一人では多いので、半分はヅケにしました。明日はヅケ丼が楽しめます。 翌日 漬け丼 スマ_ヅケ丼 醤油と味醂のタレに一晩漬けて、アツアツご飯に載せて、さぁどうぞ、ってセルフなんですが。口に運ぶ前からわかっていたこととはいえ、旨い、のひとことに尽きます。醤油や味醂の旨味との相乗効果が効いた悪魔的な美味しさに、言葉が引っ込みます。ただ、タレが濃すぎたのか、スマが上品だからなのか、魚が負け気味なのが残念でした。

泳がせ釣りの活餌魚へ無出血で針掛けする

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ショアから大魚が狙える泳がせ釣りでは、活き餌の元気が結果を左右します。なので、その活き餌の小魚をいかに弱らせないかということが、最重要事項です。 餌魚が弱ると  フグやイカ等に  攻撃されて  ボロボロになることがありますが、その瀕死の状態では、泳がせ(釣りし)ていることになりません。フグへの給餌は時間の無駄遣いです。 活き餌の小魚が弱る原因の主なものは、 ・手で直接触れる ・空気を吸わせる ・針掛けして出血させる というのが三悪要因です。前の二つは常識の部類ですが、三つ目の出血は針を刺す以上は完全無血は至難です。 早速の種明かしです。"出血無しの針掛け"は  ぶら下げ針 です。 ハリスを絞り込むと輪が縮む 餌魚と管付き針をハリスで結び付けるのです。結果は、活き餌がフリーの針をぶら下げて泳ぐので、ルアーに着けるアシストフックの様な物です。ブリ、カンパチ、ヒラマサ等の青物やスズキのような丸呑み系のフィッシュイーターには効果があります。 ぶら下げ針のセット方法 0. ハリスの片端にスナップスイベルを結びます。(無用の場合は省略) 1. ハリスの反対端を活餌魚の口から入れて、鰓蓋下部から外に出します。 針掛けマット 等を使い、ダメージを与えないように注意する。 2. 1.に、針先が後方を向くように管付き針を通してから、通した先端を反対側のハリス上でウキ止め結び(名称?)します。 3. スイベル側を持ち、結び目を水中(魚)に向かって絞り込んで、針と魚が緩く接したら完成です。 注意点 1. 全工程、可能な限り水中で行うこと。 2. 口から鰓蓋に向かってハリスを挿入する際(逆方向も可)に、ハリスの切断面で鰓を傷つけると出血するので、切断面は事前にライター等で溶かして丸めておく必要があります。エラは心臓に近く、最も出血しやすい部位なので、小さな傷でも出血多量になります。なお、ここで使うハリスは、張りのあるフロロの3号以上を推奨します。それ以下だと挿入困難です。 活き餌用の小魚にもいろいろありますが、アジ、イワシ等の歯の無いプランクトンフィーダーには適用可能ですが、ハリスを傷つける歯のある小魚( ベラ類 等 )には適用不能なので、背掛け等の針刺し法を用います。 そもそも、 餌用の小魚には形態的 に 針掛けに適する部位がそれぞれあります...

オトメベラの味/愛媛県愛南町での釣果

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オトメベラ in 愛媛・愛南町 初めてみたこの魚の印象は、「んー--、これ食べるか?」でした。体色は派手派手だけれども、毒は無いようなので食べるしかないな、と覚悟していたら、畜養中に逃亡されてしまい、幸か不幸かチャンスを逸した、という前段があったのです。 昨日、活き餌用のハリメ釣りをしていたら、この御仁が掛かってしまいました。いゃー、どうしても食べてみてくださいってことですか。 ベラの仲間なので、ひどく不味いということはないと思うので、とりあえずいつもの酒蒸しで。 酒蒸し   (釣獲1日後) オトメベラ_酒蒸し 頭や尾の紋様は消えず、見た目は美味しそうー--、ではないですが。 食した感想は。遠慮も忖度も無く言うなら、旨味が淡く繊維感のある身質なので、ベラ類の中では、上の部類とは言いにくいですね。やはり外見にばかり気を遣うヒトのようなもんですか。でも、キューセンも派手だけど美味ですね。 食べかけのオトメベラ 顔貌 in 愛媛・愛南町 ベラ類はたいていそうだと思いますが、間違ってもこの歯に嚙みつかれたくないですね。釣り糸は簡単に切りますから。 今度また釣れたらどうしようかな。何のかんのと言いながら持ち帰って、調理に悩むんだろうな、きっと。もう、日本の水産資源は枯渇に向かってまっしぐらなんだから。

ヤミハタの味/愛媛県愛南町での釣果

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ヤミハタ 釣果 in 愛南町 初めて見た時、横縞模様が無ければ、ガヤ(エゾメバル)に似ているね。で、あんた誰?でした。普段釣りをする中部地方の私のテリトリーには居ない魚なのです。 場所と形態からハタの親戚筋とは想像していたので、ねぐらに帰って調べたら、わりと簡単にヤミハタにたどり着きました。○○の仲間と 推定できれ ば、わりと同定は楽です。 ハタ類の中でも小型で、味の評価も高くないようでしたが、自分の舌でキチンと判断します。いつもどおりに、初回は酒蒸しで。 小型なので、寝かせるのは2日にしました。釣り場で血抜きした魚を冷蔵して、翌日セミドレスにして再度冷蔵に。2日経過で調理しました。 酒蒸し   (釣獲2日後) ヤミハタ_ 酒蒸し やっと火が通るかどうかで火を止めて、あと少しは余熱で仕上げます。調理のご法度は火の掛け過ぎですから。 さて、お味を、、。 意外に、も何も初めてなんですが、身がしっかりしています。フワトロのように見えたのですが。繊維感というほどではないものの、焼いたら締まりそうな身質です。 幸いにも酒蒸しですから、柔らかくいただけます。自己主張しない控えめな白身の旨さがあります。美味しいですよ、それなりに。 ガヤ よりは上かな。 このヤミハタは、成魚でも20~30cmとのことですが、20,30の差は大きいです。身おろしできれば、調理で助けようが有りますが、尾頭付き限定(今回の魚は18cm)では、、。ちょっと難しいかな。まっ、総菜魚としては合格、で良いんじゃないでしょうか。 もし次回があったら、煮付けにしてみましょう。 それよりなにより、ハタはハタでもオオモンハタが釣れてほしいですね。 煮付け   (釣獲1日後) ヤミハタ_煮付け また釣れました。甘辛の醤油味で煮つけたら、なんでも美味しくなりますね。評価しにくくなりました。それでも、元々が今一つに感じているので、そのせいか、「旨いなー ! 」にまでは至りません。 あくまで、ぜいたくを言えばです。総菜魚なら、この程度で納得できる口にダウングレードしないと、経済シュリンクのこの国の未来を生きられなくなりそうです。 うん、美味しいですよ、ヤミハタ。 あとは、油の力を借りるなら、まだ満足度は上がるでしょう。見た目は美味しそうな色をしているのでね。カサゴのように姿揚げにしたら、きっと ◎ でしよう。でも立たないかな...

ナガサキスズメダイの味/愛媛県愛南町での釣果

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ナガサキスズメダイ in 愛媛・愛南町 泳がせ釣りの活き餌用の小魚釣りで釣った物です。1週間ほど畜養しておいたのですが、より向くハリメ(ネンブツダイ・クロホシイシモチ)の溜まり場を発見したため、スズメさん達は不要になったので、私が食べることにしました。 以前にも食べたような気がするものの、記憶は忘却の彼方。で、味を忘れているなら、酒蒸しか塩煮か。 昼前に活かしカゴからだして、ササッと処理して冷蔵庫へ。夕飯にいただきました。 塩煮   (畜養7日後) ナガサキスズメダイの塩煮 潮汁の要領で、料理酒、食塩、味の素の汁で煮ました。素っ気ない味付けなので、魚の味が良く分かるでしょう。 リーディンググラスをかけて慎重に身を剥がして一口運びます。オッ、良いですね。でも、本家 スズメダイ には負けるなー。汁に脂は浮いても、お義理程度だし。旨味も控えめかな。汁が淡白ながら美味でした。 簡単に釣れてくれるので、もっと褒めてあげたいのだけれど、、。味と食べにくさを考えると、はい、補欠合格。 余計な一言:小魚を食べるのに箸操作と時間が必要なことは、ファストフードのような過食を防ぐには良い文化だと思います。おまけに繊細な味覚を磨けるのですから、かなり有意義な行いなのでしょう。骨取り魚も文化ですが、幼老人には必要でも、健康な成人が食べるものではない !  と言ってはいけないんでしょうか。

泳がせ釣りの活き餌を任意のタナに置ける仕掛け

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ショアの餌釣りの中では、泳がせ釣りはフィッシュイーターの大魚が狙える数少ない釣りです。その仕掛けにもいろいろありますが、ここでは活き餌の位置を自由に決めることができる仕掛けを紹介します。 泳がせ釣りの一般的仕掛け 泳がせ釣りでは、針掛けした餌の活き魚は、 ① 水面からの深さを錘で決めて浮きで流す ② 錘を着底させてその上方に定置する ③ エレベーター仕掛けでメインライン沿いに泳がせる 主にはこの3通りのいずれかの方法を使用します。 これらには一長一短があり、それぞれの問題点を挙げると、 ① 潮流に流されるので、狙った位置にとどめることが難しく、繰り返し行う再投入で活き餌を弱らせることになるとともに、忙しいです。 ② 三又(トリプル)サルカン 等を使うのがオーソドックスですが、底からの位置が制約されるとともに、投入時の力が針に直接伝わるので、餌の活魚を弱らせることになります。 ③ 活き餌の垂直位置は餌の魚にお任せなので泳層は原則コントロール不能です。 例えば、水深10mの海域で中層の5mに活き餌を泳がせたい場合、 ①  遊動浮き仕掛けで実現可能ですが、回収・再投入時に空中と水中で活き餌に繰り返し負荷がかかり、消耗させます。 ②  サルカンが干渉するので、投入困難です。 ③  浮きにより水面に、または錘で底に定置することは可能ですが、任意の中層に置くことはできません。 帯に短し襷に長し、とはこんな場面を言うのでしょう。では、どうすれば任意の位置に活き餌を置けるのでしょうか。 活き餌位置任意仕掛け 簡単に言うと、活き餌を浮きで任意の位置まで持ち上げて留め置く、という方法です。 投入時には泳がせ餌魚掛け針とハリスが全体の下部にあり、着水後は錘が沈んでウキ止めまで来ると、ウキが引かれて活き餌も沈んでいき、錘が着底後は、ウキ止め位置を中心にしてハリスを半径とする球状の空間を餌魚が泳ぐことになります。 浮きの浮力が過大でなく、活き餌魚の泳力が勝ると、一時的には浮きを引いて潜ることができますが、泳ぎを休むと浮きの浮力でウキ止め位置まで戻されます。 活き餌位置任意仕掛け 概念図 オモリ着底後の状態をポンチ絵に書くとこうなります。ウキ止めの直下に位置するのは 中通し木球浮き です。これが、投入時には錘の捨て糸直上まで下がり、オモリ着底後は浮い...

ヨコスジイシモチの味/愛媛県愛南町での釣果

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ヨコスジイシモチ in  愛媛・愛南町 メバルに近いのかと思い調べていて、違う。ネットを探って、ようやくこの名前に行きつきました。 夜釣りのブッコミ仕掛けの底付近で釣れたものです。13cmと小型なために、餌の定期チェックで揚げるまで、針掛かりに気づきませんでした。 何でも、少なくとも1度は食べてみる主義なので、食べます。活〆して冷塩水内で一晩置いた殿様待遇の魚ですから、鮮度低下はありません。 酒蒸し   (釣獲翌日) ヨコスジイシモチ_蒸し煮 初めての調理法ですが、皿に料理酒を張り、両面塩をふった魚を載せ、ビニール袋で包んで、200wの電子レンジで蒸しました。理想だとは思えませんが、環境による間に合わせです。でも、意図通りできました。 加熱中にも匂いはありません。白身ですから淡白を覚悟で口に運びました。えっ? うっ、旨い!! この旨味とテクスチャーのどちらもがトロケルような美味、という魚はそう多くはありません。 しいて似たものを思い起こすなら、アカメバルでしょうか。身の柔らかさはこちらの方が上です。天下一品。 なんと言うか、「図ったなお主 !! 」。名も知られぬ地味な風体、普通ならポイされそうな小魚が。これだから、知らないからと言って捨ててはいけないのですよ、釣り人は。 その気持ちを、なお強くしてくれた逸品でした。 オイルソテー   (釣獲翌日) ヨコスジイシモチ_オイルソテー ここで褒めたせいか、翌日は3尾釣れたので、しっかりキープしました。 旨い魚であることは、上の蒸し煮で分かったのですが、何しろ小さいので調理法に迷いました。脂の無い魚で旨いと来れば、油で調理するのも良いのですが、せっかくの上品な旨味を殺しかねないので、塩焼きを目指しました。 が、設備が限られる環境だったので、フライパンで、味に影響しない程度のごく少量のオリーブ油をパン表面との間に挟んで焼くことにしました。 魚に軽く塩して置き、焼く前に水気を拭い取り、フライパンに並べて、中火から弱火に落として焼き目を付けたら表裏を返して、蓋をして蒸し焼きにして火を通します。 出来上がりには、何もかけずにそのままで。表面がパリッと焼けた、香ばしい香りを感じながら一口運ぶと。 うー-ん。高温調理で硬くなった皮が、身の柔らかさの前に立ちはだかります。つまり、身との旨さの一体感を阻害するのです。それぞれは良い音...

コウイカの味/愛媛県の魚

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イカ類は、その種類が多いだけでなく、呼び名が地域で変わるので厄介です。"真イカ"と称されるイカが本邦にどれくらいあるのか。数えきれないでしょう。その地方で多くとれる普通のイカ=真イカ、のようです。この宇和海では、きっとこのコウイカがたくさん獲れて普通のイカなんでしょうね。 私はイカ釣りが苦手で、アオリイカしか釣ったことが無く、このコウイカに触るのも初めてです。でも、この値段なら買えるので、迷わずカゴに入れました。 未だ子イカですが、初めてなので贅沢は言いません。さて、どうやって食べるか。丸ごと煮てもいいサイズですが、スミイカと呼ぶ地方もあるくらい墨が多いようなので、墨煮は避けます。 刺身だけの歩留まりは3割程度しかないはずなので、可能な限り食べ尽くします。胴は刺身、頭足(腕)は茹でて、エンペラや皮は味噌汁に入れてみます。 刺身 こういか_刺身 in 愛媛・愛南町 硬いと残念なので、細めの糸造りにしました。食べてみたら、型が小さかったせいか全然硬くなかったです。ねっとりに旨味と甘みが加わって、絶品ですね。 昔々、嫌というほど獲れたスルメイカで育ったのでイカを好きになれなかったのですが、今になってイカ類の魅力にハマりそうです。 塩ゆで こういか_塩ゆで in 愛媛・愛南町 頭部を釜揚げ風に薄めの塩加減で茹でて、わさび醤油でいただきます。軟骨があるのでコリコリの食感も楽しめ、これ旨いですねー。 噛めば噛むほど、じんわりと湧いてくる優しい旨味は、暴力的な味のファストフードには実現不能の美味です。安易な生き方を問い直される、なんて大げさなことを言うと笑われるのでしょうが、そんな厳粛な気持ちになってしまいました。なぜなら、この一口も私の体を作ることになるのですから。 酢の物 こういか_酢の物 in 愛媛・愛南町 ゲソを茹でて、塩もみしたキュウリのスライスとともに甘酢で和えます。イカは幼くて柔らかく、キュウリはひねて硬く、バランスが悪かったですが、それなりに舌を悦ばせてくれました。 味噌汁 こういか_味噌汁 in 愛媛・愛南町 このイカの茹で汁を流用して、エンペラや皮などの雑品をなんでも入れてしまいました。生では嚙み切れない皮も、加熱すれば美味しく食べられます。モッタイナイ精神の後始末のような料理でしたが。 大根と一緒に煮ましたが、スルメイカのような独特の匂い...

キビナゴの味/愛媛県の魚

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キビナゴの産額が大きいのは九州のようですが、四国でも頻繁に鮮魚を見かけます。スーパーで獲れたての鮮魚を見て、迷わず買いました。税別で1パックが198円均一で並んでいましたが、よく見ると量目の表示がありません。昔なつかしい魚屋さんの一盛いくら方式です。帰ってから計ったら約280gでしたので、100gあたり税別で71円でした。高くはないものの、特別安いとも思いませんが、鮮度的価値でOKです。 さて食べ方をどうするか。当日中に食べるのが良いことは当然なので。考えた結果、刺身と塩煮にして、余分は釣りの餌にするために冷凍しました。干物も美味なので作りたかったのですが、またの機会に譲ります。 刺身 きびなご_刺身 in 愛媛・愛南町 作り方は凡そ知っていましたが、実際に作るのは初めて。やってみると、あー、カタクチイワシと同じ要領の手開きね。ちょっと鮮度が良すぎて骨離れが悪かったですが、なんとかできました。 調理中に1尾分つまみ食いしたので、まずはその感想から。ちょっとビックリのあっさり味です。イワシのような青魚特有の個性が感じられないのです。クセが無いとも言えますが、旨味が弱いようにも感じました。 サイズや漁獲時期の違いで、脂がのる冬でなく、産卵期の子持ちでもなく、とまぁあまり良い時期ではなかったのかもしれません。 きびなごは出自をたどると、カタクチイワシと同じくニシン目ですが科が違いますから、当然いろいろと相違点があるのでしょう。同じ煮干しに加工してもキビナゴの方が「クセが少なく、やさしい旨味が特徴」と言われるようです。 初めてなので不細工な出来ですが、それでもはっきりくっきりのストライプ模様が鮮やかできれいです。ショウガが合いそうですが、無いのでわさび醤油でいただきます。 初めは醤油だけで。おっ、良いですね。何もつけずに食べた時とは大違いです。鮮度が良いのでコリコリ感もあって、上等です。 次いでわさび醤油で。。言葉不要の美味。やはり刺身には、たとえモドキでもわさびの辛みも必要なんですね。納得の美味でした。 塩煮 きびなご_塩煮 in 愛媛・愛南町 どうせ食べるなら鮮度の良い内にということで、刺身に続いて食べました。 調理までの間は、ラウンドのきびなごを、2%くらいの冷塩水に浸けて半日冷蔵しておきました。調理はあらためて3%くらいの塩水を煮立てて、かろうじて火が通ったくらいに...

アカササノハベラの味/愛媛県愛南町での釣果

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アカササノハベラ in 愛南町・赤水 ベラ類を狙って釣るのは関西以西で、関東では執着しないと言われたものですが、最近はどうなんでしょうか。釣れる魚が減っているのですから、変わっているのかもしれません。そもそも旨い魚なのですから。弱点は、小さいので食べにくいことです。 活き餌用の小魚を釣っていたら比較的大きめが釣れたので、調理しました。 酒蒸し   (釣獲2日後) アカササノハベラの酒蒸し 塩を振り、なべ底にわずかの料理酒を張った中に置いて、蒸し煮にしました。 暖かい内に一口。やっぱりベラです。安心感のある美味。とんがった特徴的な旨さではなく、バランスの良い教科書的なおいしさ、とでも言いましょうか。 最後まで、醤油系の旨味を足さずに、酒塩だけで満足できましたから、十分の美味です。多少は繊維感があるものの、塩焼きなら焼き過ぎにご用心、という程度です。 これで切り身になるような大きさなら、立派に高級魚の番付に名を連ねるのでしょう。 ベラもこのサイズになると、延べ竿で釣る際には糸を鳴らして竿を曲げ、俊敏な動きで楽しませてくれます。都市近郊の釣り場では釣り尽くされて、このサイズにはめったにお目に掛かれないのかもしれません。 釣って楽しく、食べておいしいベラ類は、大好きです。

釣りの捨てオモリは小石で代用

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釣りは、掛ければキリなくお金がかかる反面、知恵と工夫でコスパの良い趣味にもなります。何しろ食べられるお土産付が付く こともある のですから。 釣りにお金が掛かる原因はいろいろありますが、その一つに"ロスト"があります。ルアー釣りでは、地球を釣った結果ルアーを失うのが典型で、餌釣りでは餌代が一番ですが、針や糸とともに錘の消耗も馬鹿になりません。 釣り用の錘は、通常よく使われるのは金属の鉛で作られたものです。これは比重が高いので、遠投するには有用なものです。ただ、いつも遠くに投げる必要があるとは限りません。 堤防からの釣りの場合では、対象魚種次第ですが、岸壁際0m~20m位の間も重要ポイントなので、実は少し投げられて沈めばOKのことも多いのです。いわゆるチョイ投げです。 でも、その辺りの近場は根掛りも多く、ロストの危険が高い場所でもあります。それゆえ"捨て錘"や"捨て糸"なる言葉があるのです。 鉛がどれほど環境を汚染しているのか定量的には知りませんが、良くないことは事実でしょうから、ロストの経済損失に泣くだけで済みません。 そこで考えられるのが、自然物の小石による代用です。古来、漁業では石に縄をかけて錘として使っていました。今は自然石から、コンクリート製の豆腐石に替わったようです。 私も以前から モルタル錘 を作ってきました。流し込み型次第で成形が自由になるので、中通しの パイプ天秤錘 も作れます。 それに対して自然石は不整形なので、これを使うには縄や紐を編んで石を包み込む技術と手間が必要になります。縄や紐も自然素材は高価で、そのロストも考えねばなりません。 そこで考えたのが、適度な張りと弾力を持ったゴムバンドで小石を保持する方法です。望まれる要件は、投げる際にはしっかり保持し、根掛りした際に強く引くとゴムが伸びて石が外れる、ことです。つまり、海底に置いてきてしまうのは小石だけ。環境負荷はゼロと言えるでしょう。 小石(平均18号相当)オモリのゴムバンド掛け 使うゴムバンドは随意ですが、私は手持ちの モビロンバンド を使います。通常の投入時と回収時に外れない程度にしっかり回し掛けます。 不整形の石なので、水中で石は回転します。なので道糸のヨレ防止のために、回転を伝えない スナップスイベル の使用が必須です...

アヤメエビスの味/高知県土佐清水市での釣果

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アヤメエビス in 足摺港 遠くに旅して釣りをすると、初対面の魚に会えるのも楽しみの一つです。この魚も、釣り上げた瞬間、なんだこりゃ、の驚きがありました。紅白幕のような派手な紅と白の縦縞が鮮やかで、熱帯に近づいたことを思いました。 硬い鱗を剥がす際に、2尾でそれぞれ一度、棘の刺さる不幸に見舞われました。事前に調べて知っていたのに、です。なかなか手強い奴です。傷が痛みそうだったので、麻酔剤入りの キシロA軟膏 で処置しておきました。 釣獲後に即締め脱血、ヘッドレスにして冷蔵、と基本の処理した魚です。食べる時点では紅白の縦縞模様の色合いは、少し落ち着きを見せていました。 アヤメエビスの腹腔内脂肪塊 大小2尾のサイズの違いが、腹腔内に表れていました。小サイズには無かった腹腔内脂肪が、大サイズにはしっかり詰まっていました。 これで味に期待していいのかというと、それは魚種次第なのです。腹腔内に脂肪塊の多い魚でも身肉には薄いことも少なくないのです。そうなると、せっかく貯えた脂肪は、刺身では口に入りません。 とりあえず、そのことは脇に置いて。 刺身   (釣獲5日後) アヤメエビスの刺身 身が硬そうだったので、薄めの平造りにしました。手元にアジ出刃しか無く、身を崩してしまったので意図が狂いました。 食感は、未だコリコリ感が残る程度で、熟成もある程度進んでいたはずですが、、。 白身の刺身で、生まれて初めてほのかな「酸味」を感じました。うーーん、としか言えません。もちろん食べられないような酸っぱさではないのですが。体調のせいか? 青背(赤身)の魚では、鮮度の良い時に感じるのが普通ですが、白身魚にも同様の乳酸の生成があるのでしょうか? 身には脂もあるのですが、旨さを感じる脂ではないようです。脂肪酸組成の違いなんでしょう。 ほのかにクセもあり、特段の美味とは言えないというのが私の感想でした。もちろん、しいて言えばという程度のケチ付けです。 鱗も骨も硬い魚なので、無理に刺身にまでしなくても良いのかな、という印象です。 酒蒸し   (釣獲5日後) アヤメエビスの酒蒸し 小さい方は、塩を振ってしばらく置き、鍋に料理酒を注いだ中で、蒸し煮にしました。 火が通ったかな、の寸前で止め。余熱で、優しく火を通します。硬い皮も破れずに仕上がったのは偶然の幸いでしょうか、新鮮過ぎたら破れていたかもしれませ...

ゆらり内海 in 愛媛県愛南町

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ゆらり内海 in 愛媛県愛南町 評価 ☆☆☆/☆☆☆☆☆ この一帯は国立公園で風光明媚ですから、観光にも力が入っているようです。ただし大都市近郊ではないので、平日には県外車を見かけることは少なく、近隣から訪れる方の比率が高いように感じました。 愛南町には銭湯がないので、旅人のお風呂は3ヶ所ある温泉?施設を利用することになります。どこも料金は大人550円で、65歳以上の高齢者は居住地に関わりなく400円になります。 この"ゆらり内海"は地物の海鮮が売り物の併設の食堂に人気があるようで、全体に賑わいを感じます。 下足から脱衣の鍵までが一連の流れで処理されるので、鍵の紛失云々のトラブルが無く、合理的です。さすが民営施設です。 夕方のせいか、脱衣室も浴室もそれなりに混んでいました。海水をろ過して加温したという潮湯が温泉の代役を務めているようですが、その浴槽には先客があって浸からずに終わりました。 全体にちょっと狭いようにも感じましたが、サウナもあって、まずまずの設備なので文句はありません。爺は400円で入れたので、満足です。 個人的感想に基づく評価の基準  ☆     二度と行かない  ☆☆    困れば行くのかな  ☆☆☆   普通に行きます  ☆☆☆☆  行く機会があると良いな  ☆☆☆☆☆ 是非とも再訪したい